更にその数日後、MEIKO、KAITO、ルカの3人と野口は、ボーカロイドの家に居た。4人はMEIKOの部屋に集まっている。例によって、話が外に漏れないように、部屋にはロックがかかっていた。
 「…それで、今日集まってもらったのは、安田君とミクとの事よ。それぞれ互いに2人から事情は聞いているから、その事を報告し合った上で相談する事にしましょう。先ずは私からね。クリスマスにライブがあるのはみんな知っていると思うけど、その練習で何度も失敗しているわ。いつもはこんな事無いのだけれど。お陰で今日もミクだけライブの練習よ。スタッフに聞いたけど、これだとライブに必要なクオリティーが出せるかどうか分からない、って言ってたわ」
 「それじゃ次にマサの様子ですね。あいつもかなりパフォーマンスが落ちてます。ゼミはもちろん、研究に関してもモチベーションを保つのが難しい状況です。実はこんな事は前にも1回有って、ミクちゃんのバースデーライブに行った直後も一時期パフォーマンスが下がっていたんですけど、今回はそれ以上に状況が悪いですね」
 「私もMEIKO姉様と一緒にミクの話を聞いていたけど、話していたミクの様子がとても痛々しくて、とても見てられませんでしたわ」
ルカが呟く。
 「その時ミクにはルカから安田君にマスターになってもらうって案を提案したけど、それだとミクと安田君が対等な関係にならないって言って断ったわね。2人の関係を考えると、仕方が無いかもしれないけど…」
 「僕もその話はめーちゃんから聞いていたから、同じ様に安田君に提案したけど、やっぱり同じ様に断っているね。現状だとその方法が2人にとって比較的簡単に結ばれる方法なんだけど」
 KAITOが話す。
 「その後で、俺が、妥協するという選択肢を取って、引いてみたらという提案をしたんだが、マサはミクちゃんとの関係では妥協したくないって言ってたな。…マサのあんなに頑固な所、初めて見ましたよ」
 野口がため息をつく。
 「…やっぱり、あの2人に、別れるってのは言い過ぎだけど、距離を取って付き合うように説得するのって難しいのかな」
 KAITOが呟く。
 「KAITOさんもマサの態度は見たでしょう?あれはかなり信念は硬いと思いますよ。やれと言われれば、俺もマサを説得してみますけど、あの状態だと説得は難しい気がするし、逆に言いこめられる気がするな」
 野口が自信無さげに答える。
 「ミクに関しても、態度を見る限り、難しい気がしますわ。でも、2人の態度を比較すると、ミクの方が説得し易い気はしますけど」
 ルカもミクの様子を思いなしながら話す。
 「でも、仮にミクちゃんだけ説得して、その事がマサに漏れたら、あいつ、ここに怒鳴りこんで来るかもしれませんよ」
 「そうだね。安田君の態度を見たけど、最初は大人しいと思ったけど、ミクの事になると、とたんに情熱的になって、確かにそう言う事をしかねないね」
 「本当、恋愛っていうのは人を変えるのね」
 そして悩む一同。しかし、4人がいくら悩んでみても、八方丸く収まる解決策が出る事は無かった。
 「…結論は、中々出ないわね、そうだ、野口君」
 「何です、MEIKOさん?」
 「とりあえず、今回の件では対症療法だけど、安田君を監視してくれないかしら?」
 「どういう事です?」
 「これは、私がKAITOに言ったんですけど、あの2人、今日明日にでも全てを捨てて駆け落ちする気がして…、それを防ぐ為です。KAITOはミクはそんなに分別の無い事はしないって言ったけど、私はあの2人が彼処まで追い詰められている状況からすると、駆け落ちする気がして仕方ないんです。野口君は私達と違って安田君のプライベートな部分まで入っていけないので難しいかもしれませんが、よろしいですか?」
 「…分かりました。マサの監視は俺が研究室にいる時しか出来ないので難しいかもしれませんが、とにかくやってみます」
 「…とにかく、当面は2人を監視する方向で行きましょう。私達はかなり考えが煮詰まっている状態だから、良い考えが浮かばない状態だわ。ちょっと休憩して、その後で再び考えましょう」
 そのMEIKOの提案に賛成して休憩する一同。しかし、一度休憩して再び考えても、名案は出てこなかった。

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初音ミクとパラダイムシフト1 3章7節

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投稿日:2016/10/25 22:58:26

文字数:1,780文字

カテゴリ:小説

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