寒い寒い冬の中、彼は言った。
「ねぇ、リン。僕ね『かしゅ』になろうとおもうんだ。」
私は、『かしゅ』という言葉が分からなくて聞き返した。
「『かしゅ』ってなぁに?」
彼は、嬉しそうにしゃべりだす。
「『かしゅ』っていうのはね、おうたをうたうひとのことだよ。ぼくはそれになりたいんだ」
「おうたうたうの?」
「そうだよ、いっぱいいーっぱいうたうんだよ」
外で作ったかまくらのなかで、彼は教えてくれた。
「リンも、なる!!いっぱいいーっぱいおうたうたうの!!」
わたしは、彼の話を聞いてそう思った。
そして彼は
「じゃぁいっしょにうたおうよ」
私は笑顔で返事をした。そう、笑顔で返事を──
はっ。
目が覚めた。
目に映るのは、自室の天井。
なんかすごく懐かしい夢だった気がする。
言葉にしようとすると忘れてしまった。
枕元においている時計は6:47を指している。布団から這い出て学校の制服に着替える。リビングに行って、朝食をとり、支度を済ませ『鏡音 リン』とかかれた制カバンをもち、玄関へ向かう。厳寒にある棚の上に、一枚の写真が立てられている。そこには、雪で作ったかまくらに、非常に顔が似た6歳ぐらいの女の子と男の子が写っている。それを少し見てから、家を出る。
「いってきまぁーす」
私は、あのころと変わった。双子の弟と同じ夢を見ていたあのころと。
こんなことをおもいながら学校へと歩く。
通りすがりの学生は、『鏡音レン』っていいよねーなどと喋っている。
ああ、いつから私たちにこんな溝が開いてしまったんだろう。
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