次の日も、ミクは普通に話しかけていた。
「昨日、あそこで何してたの?」
「別に。」
レンが短く答える。
「お買い物してたんだよー。」
隣から、リンが答えてくれた。
「へー、そうなんだ!」
ミクはリンが答えてくれたことが嬉しくて、立ち上がってしまった。
「リン、言わなくていいから。」
レンがリンに言う。
「はーい。」
リンは元気よく返事をして、次の授業の準備を始めた。
ミクは話を続ける。
「何を買ってたの?」
レンは溜息をついて、短く答える。
「夕飯。」
「おつかい?えらいねー。」
ミクがそう言うと、レンはもう一度溜息をついて、リンの手をひいてどこかへ行ってしまった。
ちょっとずつ、仲良くなれてるのかな?
ミクはそう思った。
でも――そうじゃなかったんだ。
☆
相変わらず、毎日声をかける。
その日は、なんとなくもう少し多めに話しかけてみようかな、と思った。
最初に、カイトに声をかけた。
「今日は何を見てるの?」
「何も。」
「食べ物って何が好き?」
「…アイス。」
〝アイス〟のところが以上にくいつきがよかったこと以外、あとはいつもと同じだった。
次に、リンとレンに話しかけてみることにした。
「何話してるの?」
ミクが声をかけると、2人は同時にこちらを向いた。
「夕ご飯何にしようかって話してたの。」
リンが答えてくれた。
「2人でつくってるの?お母さんは?」
そう聞くと、リンはうつむいてしまった。そのかわりに、レンが「関係ない」と言う。
「仕事?」
「だから、関係ない。」
少し、声が大きくなる。リンは、レンの袖をひっぱっていた。しかし、ミクは2人の変化に気づかなかった。
「ねえ、今度家に遊びに行ってもいい?」
バンッ!!
「うるさいッッ!!」
レンが机を思いっきりたたき、叫んだ。それを同時に、リンがレンの前に立ちはばかった。
ミクは驚いて、動けなかった。
「もう……レンを傷つけないで。レンは頑張ったんだよ……?」
そう言って、リンは涙を流す。
でも、ミクにはリンの言っている事が解らなかった。
「……とにかく、もう俺達に話しかけんな。」
レンはミクを睨み、そう言ってリンと一緒にどこかに行ってしまった。
ミクは動けずに、立ち尽くした。
「聞かれたくないことだってあるのよ。あなたみたいに、普通に笑って生きてきてる訳じゃないの。……理解できるか判んないけど。」
後ろから、そう言われた。言ったのはメイコだった。
ねえ、じゃあ、私はどうすればよかったの?
話しかけちゃいけないの?
仲良くなりたいって思っちゃいけないの?
話してくれなきゃわかんないよ……。
それとも、最初からここにいちゃいけないの――?
教えてよ。
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cup_chinon
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「Back To The Sunlight」
楽曲URL:https://piapro.jp/t/Vxc1
「雪にとける想い」
楽曲URL:http...参加作品リスト 2017年〜2021年

MVライフ
<1>
穢れの禊(みそぎ)で生まれた
母の温もり 知らぬまま
行き場のない悲しみが 山を枯らし 川と海を干す
父神の命に背いて 黄泉国への旅をただ願うが・・
姉神との誓約(うけい)を交わした後に
裂け出でる荒神の性(さが)
荒んだ心の絵図を 天上界に描き出す
この激情 誰か受け止めよ
<2>...日本神話 スサノオ

のづたかし
炬燵の中で丸くなる
尻尾ゆらゆら夢の中
猫耳ぴょこん寒い夜
ぬくぬく幸せ始まるよ
外は白い冬の風
窓をこつこつ叩くけど
ここはあったか猫の場所
炬燵は魔法の空間
蜜柑ころころ転がって
頬っぺた少し甘くなる...ロリ猫炬燵びより feat.初音ミク

☆Asura☆花蓮
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ご意見・ご感想
木下 志希
ご意見・ご感想
おお!続きだ!
相変わらず良い小説です・・・
ぐちゃぐちゃ?そんなこと言ったら私の小説のほうが・・・
次の待っています^^
2009/10/15 16:20:46