雨音を立ててやってきた冬の気配に
貴方が淹れたコーヒーの湯気が香る

“もうすぐ3度目のクリスマスだね”
思わず言って後悔した
どうかあなたには聞こえていませんように

最初のクリスマスリングが
痩せた指で遊んでいる
細身なあなたの隣を歩くのに
少しずつでも変わりたくて
きちんと折り重ねた時間が
二人をここまで連れてきたんでしょう


足音をひそめやってきた涙の気配に
貴方が淹れたコーヒーの水面が揺れる

“例えば2人が高校生だったら”
考えても仕方ない事だけど
共に過ごした時を素直に喜べたのかな

2度目のクリスマスリングが
長い指で遊んでいる
男のあなたの手では最初から
ほんの少しも変わらぬまま
なんとか繋いできた時間で
二人はここまでやってきたんでしょう


風音も高く朽ちてゆく秋の気配に
私は紅茶を淹れるの、已めてしまった

“いつまで一緒にいられるの?”
声には成りようもないことだけど
時は落ちていく限りある砂の様よ

3度目のクリスマスリングは
同じ指に並ぶかしら
サイズは合わないままでも
一つずつを手にしてきたから
きちんと紡いできた時間で
二人はここまでやってきたのに


目の前にある笑顔が変わらないからこそ
あなたの側で変わっていけるからこそ 悲しい
音を立てて過ぎてゆく 何もかもに目を塞いで
ただそばにいられたら


もうすぐ3度目のクリスマスだね
どうか貴方に聞こえていませんように
例えば2人が高校生だったら
過ごした時間を素直に喜べたのだろうか

最初のクリスマスリングが
節を抜けたら
少しは何かが変わるの?
静かに降り積もる時間が
二人をこんなに追い詰めるんでしょう

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい
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Christmas Ring

季節を先取りしてみたよ。


1年目のクリスマスに彼女に指輪をプレゼント
2年目のクリスマスには彼氏がお揃いの指輪を買ってペアリングになって
彼女は付き合った直後からダイエットしてて、
3年目の今は指輪は関節に引っかかるくらいの緩さになってる。
的な歌です。


社会人になってからの3年って、あっという間なんだけど、振り返るとかなり長いように感じる。
決断しないなら別れなければいけない時期というか。
3年、という言葉に踊らされてるだけかも知れないんだけど。

いつまでもこのままではいられないけど、
一緒に過ごすクリスマスの数が増えていくのは今だって嬉しい。

でも、どんなに望んだって、きっと4度目のクリスマスは来ない。
恐らく今年が最後。


それでも、どうしたらいかわらない、

せいいっぱい、あいしてるんだよ。

みたいな。

閲覧数:240

投稿日:2010/12/29 18:10:47

文字数:715文字

カテゴリ:歌詞

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