ぎし、ぎし、ぎし
床の軋む音がする。
(誰だ・・・?)
スッ
誰かが俺の部屋のふすまを開けた。
「誰だ!」
「わッ!」
聞き覚えのある女の声。
「す、すまん、海斗・・・」
「凛?」
凛が、枕を抱いて俺の部屋の前に立っていた。
「どうした?」
「あ・・・あのな・・・」
もじもじと恥ずかしそうに枕で顔を隠す凛を見ていると、こっちまで恥ずかしくなってくる。
「わし、いっつも楽歩と寝ててな・・・」
「うん?」
「おっ・・・・」
凛の枕を抱く力が強くなったことが分かった。
「男の温もりがないと、寝れんくなった・・・」
「は!?」
何言ってんだ、こいつ!?
「で、何!?一緒に眠れと!?」
「しょ・・・・しょーがないじゃろ!!癖ついちまったんじゃから!!」
俺の顔も赤くなっていると思うけど、きっと凛程ではないだろう。
「は・・・入るじょ・・・?」
凛が俺の布団に入ってきた。
「冷たッ・・・」
凛の足は、寒い城の中を歩いてきたせいか冷たくなっていた。
「海斗は、あったかいな・・・」
凛が俺に抱きついてきた。
「ん・・・・」
なぜか凛を温めたくなって、俺は凛を抱きしめた。
「海斗・・・・・苦しい・・・」
「あ・・・ごめん」
「ううん・・・・あったかいじょ・・・」
しだいに凛は寝息をたてて、スースーと気持ち良さそうに寝た。
凛の金の髪をふわりと触った。
「やわらか・・・」
凛の弟も、金の髪をしているのだろうか。
もし、噂どおり女遊びをしていたら、今俺が凛を抱いているように、女を抱いているのだろうか。
凛は、周囲から心中姫と呼ばれて、どれだけ苦しかったんだろう。
どれだけ辛かったのだろう。
「凛・・・・」
ぎゅっと、凛を抱きしめた。
なぜ、こんなにも凛を愛おしく思うんだろう。
なぜ・・・・
そう思っているうち眠くなり、俺は凛を抱いたまま眠った。
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