※『シャングリラ』シリーズの流れを汲んでいます。
ご存じない方は、先に本編を読んでいただくことをお薦めします。




シャングリラ・ある日のひとコマ④


「何を見ているんですか?」
「んー?動画サイト。…ほら、アプリのカイト君が世間様にどう扱われてるか、ちょっと参考にね、」
「…オレも、それらに近付くよう努力した方がいいでしょうか?」
「うーん、ムリじゃないかな?いろんな設定があるから、方向性を決めるのも難しそうだし、」
「そうですか、」
「でも、一応カイトも見ておけば?販促活動には必要かもしれないし、」
「はい…。あの、ちなみに篠武さんは、どんな設定がお好きですか?」
「んー…。個人的にはやっぱ、卑怯上等なヤツかな。清々しいまでに狡猾なところが好きだ、」
「……、」
「って、コラコラコラコラ!!!何を勝手に、無言で脱ぎだしてんだお前は!!!」
「裸マフラーがご所望だと伺ったので、」
「言ってねぇし!!!…とりあえず、服は着てくださいね、カイト君、」
「はい、」
「あとはー…、ヤンデレとか?一生に一度くらいは、あそこまで一途に深く愛されてみたいと…いや、うん、オレの柄じゃないな、」
「申し訳ありません、オレには篠武さんをアイスピックで刺すなんてできない…、多分、」
「だからしなくていいってーの!!!全く、何考えてるんだよ。無理に合わせようとするな。お前はお前のまま成長してくれれば、自ずと性格なんて決まるものなんだから!!」
「………、」
「……何?」
「…でも、オレは、」
「うん?」

「オレは、…篠武さん、貴女の望む『オレ』になりたいです、」

「………、」
「………、」
「…はっ、」
「……?」
「何ソレ、…一瞬口説かれてるのかと思った、」
「…口説…?」
「いい。気にするな。…早く一人前の人格を身に着けような、」
「はい、…?」

他意はない、だから余計にタチ悪い。

ライセンス

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シャングリラ・ある日のひとコマ④【カイマス】

本当に他意はないのか。

閲覧数:113

投稿日:2011/04/30 00:09:27

文字数:804文字

カテゴリ:小説

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