私の感情から涙を抜き取っても
そこから笑顔が芽生えないように
ピアノがバイオリンにならないように
小さな音色はどこにも響かない

どうしたって迷うことのない場所
目をつぶっても通れる馴染みの場所
忘れていくのはほんの一瞬で寂れて
正面から見つめることができない

涙でクレーター作ってよ消えない
刻み込んで海を作ってよ傷痕

私の衝動から涙を拭き取っても
そこから喜びが生まれないように
太陽がプロキオンにならないように
小さな緋色が心を蝕む

どうしたって譲ることない場所
耳を塞いでも聞こえる不思議な場所
消し去ってくのはほんの数分で廃れて
光源から離れていくことができない

風でリコーダー吹いてよ消えない
絞り込んで波を作ってよ傀儡

結局さ涙抜いたらもう何も無くてさ
干からびちゃうの怖いんだってずっと
どこまでも笑ってくれる君がいてくれて
それが急にいなくなる恐怖に怯えて

そんなの自分勝手だって気付いてる
一方的な思考と言う名の暴力で
頼りすぎかなって甘えすぎかなって
なんでそれでも笑ってくれるのかなって

私の全身から涙を抜き取っても
そこから天使にはならないように
引力が光と交わらないように
小さな灰色が明日を満たす

どうしたって眠ることない場所
手を掴んでも遠ざかる素敵な場所
透き通ってくのはほんのほんのちょっと
中心から伝わるのを止められない

水でレコーダー記してよ消したい
削り取って山を作ってよ媒体

涙のなくなった海はどこに消えた
私のなくなった声はどこで癒えた

ふとんのなかでゆめのなかで