マスター
「む~・・・」
ゆかり
「マスター、なんで唸ってるんですか?」
マスター
「あ、ゆかりさん。いや、マジスパの招待券をもらったんだけどね」
ゆかり
「マジスパって、なんです?」
マスター
「あ、そっか。ゆかりさんはマジスパ行ったことなかったっけ。すごく美味しいスープカレーのお店があって、僕達ボカロ業界の人間の聖地ともいえる場所があるんだよ」
ゆかり
「ああ、そういえばカイトさんがそんな事を言っていた気がしますね」
マスター
「そうそう。で、そのペアチケットがあるんだけど誰にあげようかなー、ってね」
ゆかり
(これは振りかな?だとすれば、安易に希望を伝えるのはマスターの意向にそぐわないかも)
「マスター。そういえば最近暑くなってきましたよね」
マスター
(何故そこで世間話の常套句を?)
「そうだね?」
ゆかり
「暑くなってくると夏バテが気になりますよね」
マスター
「そうだけど?」
ゆかり
「夏バテにはスパイシーな料理が効きますよね」
マスター
「その通りだね?」
ゆかり
「そしてそのお店はスープカレーが美味しい、と」
マスター
「そっ、そうか!そういう事か!!」
ゆかり
(しめた)
マスター
「今日の夕食はカレーがいいってことだね!!」
どすっ(マスターの足の甲を踏み抜く音)
ぱしっ(マスターの手首をつかむ音)
ぐりっ(マスターの腕を背中でねじり上げる音)
マスター
「ゆかりさん。どうして僕は今プーチン大統領も真っ青なコマンドサンボを仕掛けられているのかな」
ゆかり
「お望みとあらば打撃→極め→投げのコンボも披露できますが?」
マスター
「コブラツイストなら極めて欲しいかもしれない」
ゆかり
「・・・何かやらしいこと考えてるでしょう」
マスター
「ソンナコトナイヨー」
ゆかり
「・・・はあ。もう良いです。そうやってまた私をのらりくらりと回避するんですから・・・」
マスター(解放された)
「それにしても、ゆかりさんはどうして怒ってるの?」
ゆかり
「知りませんっ」
マスター
「何か悪いことをしたなら謝るよ」
ゆかり
「もう良いですっ」
すたすたすた
マスター
「うーむ。参ったなあ、ゆかりさんは辛いの苦手だから敢えて勧めなかったんだけど・・・」
ミク
「そーゆー事はさー、ちゃんとはっきり言ってあげたほうが良いんじゃない?」
マスター
「あ、ミク。聞いてたの?」
ミク
「マスターがゆかりさんにセクハラ発言してるのもね」
マスター
「いやだなあ、スキンシップの一環だよ」
ミク
「まあ良いけど・・・で、そのチケットどうするの?」
マスター
「辛いもの好きっていうメンバーが割と少ないんだよね。友達と行ってもいいけど、生憎マジスパに行きたいっていうメンバーがいなくって」
ミク
「じゃあ・・・私がもらってあげても、良いよ?」
マスター
「スープカレーにネギは入ってないよ?」
ミク
「違うっ!私はそれが目当てで行くんじゃないの!!」
マスター
「でもミク、ネギ好きだよね?」
ミク
「好きだけどっ!そうじゃないっ!っていうか私=ネギみたいなイメージ持つのやめてくんない!?」
マスター
「今日の晩御飯はネギ焼きかなー」
ミク
「やったあ!10連ネギ焼き機用意して待ってるね!!」
マスター
「ほら」
ミク
「・・・馬鹿ぁーーーーっ!マスターのいじり方も最低だけどそれ以上に私の馬鹿ぁぁぁ!!!!」
マスター
「生きとし生けるものすべては食物連鎖の理から逃れられぬのだよ・・・」
ミク
「なんかものすごい哲学的に語ってるけど要は私がネギ好きだって馬鹿にしたいだけでしょーーーっ!!」
マスター
「Yes」
ミク
「全肯定!?微塵も否定してくれないの!?」
マスター
「Yes!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
ミク
「そんなに元気よく言わなくても良いでしょぉーーーっ!?にかっていう擬音と共に親指立てながら言うとかもうほんと何なのーーーっ!!」
マスター
「Oh,sorry...」
ミク
「やめてよこの場面で謝るとか!!しかも誠意ゼロなの丸分かり!!余計自分が惨めになるじゃないのーーーっ!!」
マスター
「ミクは面白いね」
ミク
「ねえマスター・・・今私がすんごく疲れてるの・・・わかってる・・・?」
マスター
「おいで。僕が癒してあげるよ(さわやか)」
ミク
「ああ・・・もう身も心も委ねてしまいたい・・・マスターに包まれて・・・なんてあったかい・・・」
マスター(CV.大山のぶ代)
「ほっかいろ~」
ミク
「・・・馬鹿ぁーーーーーっ!!もう梅雨時なのにわざわざほっかいろを用意してるマスターの馬鹿ぁぁぁぁぁぁ!!!!」
マスター
「初夏なのに今年はちょっと寒いんだよねー」
ミク
「ほっかいろが要る程じゃないでしょ!?」
マスター
「部屋の窓閉め忘れるんだよね僕」
ミク
「・・・馬鹿なの、いや馬鹿でしょ、もうほんと馬鹿じゃないのマスター・・・」
マスター
「新しい三段活用だね」
ミク
「もう良いわよ・・・この招待券私がもらうから」
さっ
マスター
「あっ」
ミク
「ほら、マスターも準備してよ。行くんでしょ」
マスター
「ミク・・・」
ミク
「お財布持った?言っとくけど、電車賃くらいはおごってもらうからね、どうせ招待券はタダなんだし」
マスター
「そうか・・・深く考えずに、積極的になったら良かったんだね」
ミク
「何言ってるのよ、何か遠慮する理由でもあったの?」
マスター
「いや。僕ももう少し積極的になるよ」
ミク
「えっ、ちょっとやだ、たかがスープカレー食べに行くだけじゃない。別にそんな・・・」
マスター
「積極的になって、ゆかりさんにこの招待券を渡してくるよ!!」
ミク
「・・・は?」
マスター
「前々から思っていたんだ、辛いものが苦手なゆかりさんにもマジスパのおいしさを分かってもらいたい!いずれ来る虚空への第一歩を踏み出してもらいたい!!ってね!」
ミク
「・・・えーと」
マスター
「そう思って準備してたんだ、はい、これ現地までの地図と電車の時刻表。駅からちょっと歩くけど大した距離じゃないから迷わないと思う」
ミク
「あのぅ・・・」
マスター
「最初は涅槃から食べるといいよ。それでも辛かったらチーズをトッピングしてもらって、まだ駄目だったらビネガーを入れるんだ。まろやかになっておいしいよ~」
ミク
「・・・」
マスター
「じゃあゆかりさん呼ぶね!・・・あっ、おーい、ゆかりさーん!!」
てくてく・・・
ゆかり
「お呼びですか、マスター」
マスター
「ゆかりさん、さっきはごめんね、僕変な遠慮してたよ!」
ゆかり
「いえ、遠巻きに話を聞いていたので大体の事情は把握しています」
マスター
「あ、そうなんだ。だったら話は早いね。ミクは今から行きたいらしいんだけど大丈夫かな?」
ゆかり
「ええ、大丈夫ですよ」
がしっ(マスターの手首を後ろ手に回す音)
マスター
「ん?」
ミク
「よかった。じゃあ今から行こうか」
がしっ(マスターにフロントネックロックする音)
マスター
「えっ?あっ、あの、えと、その、・・・ど、どこへ行くんでせう?」
ミク&ゆかり
「いますーぐーマージスパにーいこうよー、おー」
その日、僕は虚空へと向けて旅立ったのだった。
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