風に　ひらり　流され歩くは
　花に　霞む　いくつもの想い
　落ちた　カケラ　掬い掲げても
　何も　救われはしない

　甘い　香り　人々惑わせ
　揺れた　世界　包んで微笑む
　閉じた　瞳　薄れた光に
　この手　何も掴めずに

　芽吹き　落ちていくは　桜
　雪は　時が経ち　消えた
　いつかは　この地に私も
　ひらり　ひらり

＊咲いて　散りゆく　花夢の後
　乱れて　ひらひら　空を舞う
　春の　淡雪　桜に埋もれ
　天に　橋を架ける
　空に　桜が舞う

　蟲が　ゆらり　蠢く季節に
　芽吹く　命　朝を待つばかり
　鳥が　唄う　穏やかな日には
　少し　夢に酔いしれる

　心　揺さぶるのは　桜
　白い　早咲きに　溶ける
　いつかは　この世に私も
　ひらり　ひらり

＊咲いて　散りゆく　花夢の後
　乱れて　ひらひら　空を舞う
　永久の　輝き　桜に宿り
　叶う　願い一つ
　人の　狭き心


　ふわり　ふわり　踊る花びら
　大空どこまでも翔る
　人に　大地に　降り積もる花
　今　ひらり　ひらり

＊咲いて　散りゆく　花夢の後
　乱れて　ひらひら　空を舞う
　春の　淡雪　桜に埋もれ
　天に　橋を架ける
　空に　桜が舞う



― ひらがな ―

　かぜに　ひらり　ながされあるくは
　はなに　かすむ　いくつものおもい
　おちた　カケラ　すくいかかげても
　なにも　すくわれはしない

　あまい　かおり　ひとびとまどわせ
　ゆれた　せかい　つつんでほほえむ
　とじた　ひとみ　うすれたひかりに
　このて　なにもつかめずに

　めぶき　おちていくは　さくら
　ゆきは　ときがたち　きえた
　いつかは　このちにわたしも
　ひらり　ひらり

＊さいて　ちりゆく　はなゆめのあと
　みだれて　ひらひら　そらをまう
　はるの　あわゆき　さくらにうもれ
　てんに　はしをかける
　そらに　さくらがまう

　むしが　ゆらり　うごめくきせつに
　めぶく　いのち　あさをまつばかり
　とりが　うたう　おだやかなひには
　すこし　ゆめによいしれる

　こころ　ゆさぶるのは　さくら
　しろい　はやざきに　とける
　いつかは　このよにわたしも
　ひらり　ひらり

＊さいて　ちりゆく　はなゆめのあと
　みだれて　ひらひら　そらをまう
　とわの　かがやき　さくらにやどり
　かなう　ねがいひとつ
　ひとの　せまきこころ


　ふわり　ふわり　おどるはなびら
　おおぞらどこまでもかける
　ひとに　だいちに　ふりつもるはな
　いま　ひらり　ひらり

＊さいて　ちりゆく　はなゆめのあと
　みだれて　ひらひら　そらをまう
　はるの　あわゆき　さくらにうもれ
　てんに　はしをかける
　そらに　さくらがまう