*?*

なぜ――。

私の妻が、なぜ私の妻が殺されなければいけないのだ...。



娘たちはもう事件については知っているらしい。

「お父さん・・・お母さんは、」

「母さんは――」



あの事件から、2日が経った日の朝。


<円尾坂の仕立屋-envy2->



*カヨ*

なにやら町の中心部ではとある事件が話題になっているらしい。

昨日は着物の縫い直しに追われて、事件のことは全く知らなかった。
今日も新聞で少し記事を見たぐらいだ。

そうだ。
隣の店の奥さんに詳細を聞きに行こう。

そう思い、私は先日に町で会った奥さんが旦那さんと営業している店に行った。

だが、奥さんは現在、買い出しに行っているらしい。

旦那さんに居場所を聞くと、橋の前にある店に居るらしい。

旦那さんに「よかったら自分の店で待たないか」と聞かれたが、早く事件のことを知りたい気持ちが私を焦らせている感覚があった為、それを断った。


小走りになりつつ、私は橋の前の店に向かうと、旦那さんに聞いた通り奥さんはそこにいた。

さすがは夫婦というか…阿吽の呼吸って素晴らしい。

早速奥さんに事件のことを聞くと、「事件が起こったのは昨日、深夜に何者かが家に侵入し、女を襲い殺害したらしい」ちょっとした談笑を交えながら教えてくれた。

それを知った私は、

『物騒な事件ね・・・早く解決してほしいわ・・・』

などと複雑な気分になっていた。

やはり事件はいい気分にはならない。


今度一緒にお茶をする約束をして、「まだ買う物があるから」と言う奥さんと店の前で別れた。


帰る途中。

橋の前に、


あの人がいた――。


今度は髪の長い綺麗な女と一緒に。
緑の帯が悔しいほど似合っている。


落ち込んだ様子のあの人。

それを慰めるように寄り添う女。

これ以上は見ていることなど出来ず、すぐに家に向かった。


――嗚呼、そんな娘が好みなのね。




*昨日:みく*

今日の朝にお父さんが言ったことを思い出す。

「お母さんはな、誰かに殺されたんだ・・・お父さんだって悔しい。でも犯人は誰かわかっていないんだ・・・すぐに警察の人が調べて、捕まえてくれるはずだ。」

黙って聞いていた私たちにお父さんは優しく声を掛ける。

「――今は泣きたいだけ、泣いていいんだぞ?」

その言葉を聞いた私は嗚咽が出るのを抑え切れず、泣いた。思いきり泣いた。

そして、強くなろうと決めた。


私はお父さんだって泣きたいはずだろうと、買い物に誘った。

「みく、ありがとう。」

そう言って、橋のところにあるお茶屋がいい、と私に言った。

妹のりんも誘おうとしたが、あの娘も一人になりたいだろうと判断し、「お父さんとでかけてくる。」と言った。


橋のところにあるお茶屋に着いた時、急にお父さんが泣き出した。

朝はきっと我慢していたのだろう。

私はお父さんが泣き止むまで、隣に寄り添っていた。


10分ぐらい泣いただろうか。
いつものキリッとしたお父さんに戻ったのを確認して、「帰るよ」と言い、家路に着いた。




私とお父さんが帰ってくるとりんはもういつものりんだった。

ただ、出掛けている間に泣いたのだろうか、
目元が赤くなっていたことを除けば。






それからはいつものみんなで、おっちょこちょいなお父さんを私がフォローし、りんは近所の友達のれんくんと遊びに行く、という1日だった。



すっかり外も暗くなり、あと2、3時間で月とお別れの時間になった頃、私は目を覚ました。

なんだろう。嫌な予感がする。


その予感は当たった。





側に、知らない女の人がいた。


「だ、誰!?」

「あなたがあの人をたぶらかしたのね・・・」

慌てる私にその人は訳の分からないことを言い、少しずつ近付いてくる。

「な、なんですか・・・?私はただの――」


『この家の主人の娘です。』と続けようとしたその時だった。


女の人が私に急接近し、私の胸あたりになにかを――

気付いたときには遅かった。
死亡、フラグ・・・。



意識が遠くなっていく…あ、私、死ぬんだ…私が居なくなってお父さんは大丈夫だろうか…きっとまた泣くだろう。りんも…


そして、暗転――。

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

円尾坂の仕立屋-envy2-

…このシリーズ久しぶりだな。((


おはようございます!姉音さん登場!(ばーん!

さてさて、円尾坂第2話!
今回もヤンデレ満載?なお話。

ここで突然ですがキャスト紹介!

《CAST》
カヨ⇒巡音ルカ
みく⇒初音ミク
りん⇒鏡音リン
お父さん⇒KAITO
隣の店の奥さん⇒MIZKI(VY1)

ひらがななのは仕様です!(キリッ

んーワンクッションつけるべき?

http://piapro.jp/t/hVrD】 Back← →Next 【?】

嫉妬ルカさんが楽しめる原曲
http://sp.nicovideo.jp/watch/sm9032932

閲覧数:425

投稿日:2013/01/30 12:07:40

文字数:1,789文字

カテゴリ:小説

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  • ゆるりー

    ゆるりー

    ご意見・ご感想

    今日は全国にヤンデレ注意報が発令されています、お気をつけください←
    それはそうとお久しぶりです、ゆるりーです。

    ミクちゃんが…
    ハンカチを求めています。あ、あった――と思ったらこれは赤い着物!?
    あれ、近くに誰かいる!?はっ、殺気!?ぐはあ!((

    ブクマいただきます。
    さて、こちらも久々に大罪シリーズに取り掛かるかー…

    2012/06/11 17:02:57

    • 姉音香凛

      姉音香凛

      皆さん嫉妬には十分お気をつけください((
      ゆるりーさんお久しぶりです!

      ミクさんは非常に残念でした…嫉妬って怖い…(gkbr
      あなたもルカさんに…なにか恨まれる事をしたのですか…!?←

      ブクマとメッセージさんくすです!
      おぉ、大罪シリーズwktk!

      2012/06/11 17:24:30

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