「最後の酸素で 何を描こう?」
眠る指先は 淡く静かだ
隙間のない景色 水色の過去
きみがメロディを 唄にしたんだ
「寂しいなら 空しいなら 鍵なんて棄ててしまえ」
そんな言葉で隠した 傷跡がひらいてしまった
だれもいない歩道橋の 空を切りとるサイレン
ほかはなにもいらないから もういちどだけきかせて
*****
窓辺の紫陽花 待合室で
胸が騒ぐから 雨を聴いていた
寂しいんだ 空しいんだ カンヴァスは白いままで
穢れた手で触れることも きみは黙って赦した
虹を映すその瞳も 風みたいなその髪も
夢のなかに消え去るなら もういちどだけきかせて
きみのこえ
きえないで
きみと出会った日は 六月七日
僕のもうひとつの 誕生日だ
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