あなたが見えなくなった日
明日の右側が欠けていた
盛りを過ぎた十七の
月明りがやけに綺麗だ
あなたが聴こえなくなった日
僕の左側が止まっていた
人の心もないということか
気づけば影さえ無かった

あなたを描いたなら
僕は遠い街へ歩き着く
言葉もないままに
夢をなぞっている
心を欠いたから
忘れられないものも失くしたのか
それともただ遥か先
春が降って過ぎたのか
風が吹く

月には雲がかかった
少し花やいだ気がした
街灯代わり十七の
帰り道が朧に浮かんだ
人には見えない速さで
地球は遠ざかっている
本当は雲を見ている

あなたを描いたなら
昨日の本当は今日の嘘
昨日の嘘ひとつ僕は思っている

あなただけを描いた
いつしかすべてが作品になってゆく
山裾に夏帽振れば風が吹く

夢が終わったなら
絵筆を置いて遺った絵の具で
昨日を欠く今日も亡く
目を覚まして風も凪ぐ

否定だけ握りしめて
影を失くし立ち尽くし
待つはただ月明りだけ

どこか遠い街で
あの海岸にまた歩き着く
かたちもないままにあなたが立っている

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい
  • 作者の氏名を表示して下さい

彩波憧

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投稿日:2024/08/26 19:33:55

文字数:457文字

カテゴリ:歌詞

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