足早に行く 硝煙の雨 噛み千切る様な痛みだけ
残れば良いと 嘲笑う彼は 刹那に塗れても起つ
漆黒すら浅い 暗雲の向こうを 突き刺すが如く
細身の剣を 迷い無く掲げ言う

『タタカワネバナラヌ』

背に抱えるは 巨万の命と積み重ねた歴史の証
欠片も捨てる勇気があろうか
いや 私には有り得ない
愛する者も愛してくれる者も要らない 孤独よ
それだけが私を怯ませぬ 英雄へと成して行く
涙を流すな 皆の衆
救いを願うな 誰だろうと
戦地に尽きる者は 最強の独りだけで良い


僅かな隙間 荒野の終わり 出会ってしまう一輪の花
赤く華やか 太陽など緩く 芽生えた夢は終わらない
途切る事も無く 戦乱は渦巻く 初めて手探った
告白紛いは 声に変えるなど出来ずに

『タタカイガウバウ』

背に抱えるは 眩い想い出と愛を知った意味と証
戦塵が巻き起こす惨劇
何時から他人事だっただろう
愛した者も愛してくれた者も消え逝く 孤独が
無知過ぎた私を怯ませる 英雄を屈伏させる
涙忘れた 愚か者よ
救い願った 弱き者よ
戦地に尽きるべきは 最悪の独りだけで良い


愚問だろう どれ程逞しかろうと明晰だろうと
小さき男の身一つなど 盾にすら成らぬ
弾丸を弾こうと 跳ねた弾が必ず何かを奪う
夢を見るな たった僅かなお前の命で救える世界など 無い


背に抱えたは 巨万の命と積み重ねた歴史の証
欠片も捨てる勇気など無く
彼は自分を消した
愛する者も愛してくれる者も居たのに 孤独と
戯言を信じ決して怯まず 英雄と謳われた
涙を流し 憐れ悼む
救いを与えよ 手向け厚く
戦地に尽きた者の数は 彼と彼女の二人だった


ライセンス

  • 非営利目的に限ります

英雄嘆歌


物語っぽいのが書きたくて出来た物です(^^)

戦争で何かが消えるのが嫌で嫌で、たった独り立ち向かう男が居ました。
彼は身寄りの無い放浪者で、悲しむ者の居ない自分が独り全てを背負い尽きるべきと信じました。
彼は銃弾を弾き、大砲を砕き、独りであらゆる戦を収めて行きます。
ですが、そんな彼は恋をしてしまいました。
孤独だけを理由に戦いを成していた彼故、迷いを生ませるのには充分。
弾いた銃弾の一つが守っていた住民の一人に当たってしまいました。
それが、愛した人。
彼は知ります。
所詮如何に最強であろうと一人が守れる世界など無いのだと。
争いが終わり平和な時代が来たその日。
英雄は初めて相討ちとなり息絶えました。
英雄と彼を称えた人達は彼を愛していたのに。
彼は孤独だと信じる事でしかもう生きられなかった。
争いが終わったその日、居なくなった人間は、たった二人だけでした。




閲覧数:179

投稿日:2008/09/24 00:04:45

文字数:700文字

カテゴリ:歌詞

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  • 烏有_喪音

    烏有_喪音

    使わせてもらいました

    お久しぶりです。
    以前、この歌をレンで聞きたいと仰っておられましたのでUPしてみました。
    http://piapro.jp/content/x1menhjiazhmktwk
    実をいうと曲自体音階を高く作りすぎていて特にサビのところが苦しくなるので長いことためらっていたのですが、考え直して素に近いレンで出してみる気になりました。
    長いことお待たせして済みませんでした。

    2009/04/15 00:31:15

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