必然とは、偶然をいくつも積み重ねてそのことを指す。
今が、それなのかなとあたしはぼんやりと心の片隅でそう思っていた。
「・・・リン」
「・・・レン」
目の前に、今とても会いたい人がいた。これって、夢・・・?
思わず、そう思ってしまう程。
だって・・・
「・・・レン、あのときから行方不明で、・・・あたし」
「・・・あのときから、ずっとグルトの家に居させてもらったんだ」
レンは、そう言って隣にいるグルトを示した。
「そ、そうだったんだぁ・・・・」
あたしは、ただぼうぜんと言うしかなかった。
「ありがと・・・・姉としてお礼言うねっ!」
あたしは、はにかみながら言った。
「・・・・・」
グルトは驚いたように目を丸くさせて、
「・・・べっ別に・・・俺はそんなにメーワクじゃないから・・・!」
と、なんだか顔を赤くさせて慌てたように言った。
・・・・なんか、悪いこと言ったっけ?
「・・・・でさ、どうしてリンはここにいるんだ?」
「・・・・・・もう、なんか色んなことに耐え切れなくて・・・」
あたしは、言葉を探して
「・・・・・レンを探しに来たの」
と、結局シンプルに言うことにした。
「・・・ !」
「だから、・・・・帰ろう?レンが帰るべき家にさ」
「・・・・」
レンは、しばらく考えていたけど何を考えているかまでは分らない。
その時。
ぐいっ
「・・・えっ!?」
あたしは、グルトに手を引かれて走らされていた。
「・・・・・っっ」
「・・・リンっ!」
レンの声が遥か遠くに聞こえた。
コメント0
関連動画0
オススメ作品
席を譲る魚 空いた水面
私の顔が見えてしまうだろ
蒸し暑い夜に咲いた花が
私を見て花びら一つ散らせた
お祭りの日はいつも
家の中に籠って過ごす
けどお誂え向きのベールが
そろそろ宅配で届きそうなのだ
今年はちょっとだけ
浴衣が着れるかもしれないんです...夏へ
あふれいど
バランスの良い食事って なかなか摂れないもので
流した汗を埋めるように 涙ばかりを飲み込んでしまう
疲弊してぽっかり空いた心は 欲しがるけど
ネットの海では魚が 見つかりにくいらしい
ああ あんなに 争わなくていいのに
そう言う私も きっとエゴの塊
悲しみをお腹いっぱい 押し込まれた時には
カロリー...ヘルシー・ソング - 歌詞
カルラピス
小説版 South North Story
プロローグ
それは、表現しがたい感覚だった。
あの時、重く、そして深海よりも凍りついた金属が首筋に触れた記憶を最後に、僕はその記憶を失った。だが、暫くの後に、天空から魂の片割れの姿を見つめている自身の姿に気が付いたのである。彼女は信頼すべき魔術師と共に...小説版 South North Story ①
レイジ
わかんないくせに!/鏡音リン
BPM:190
そんなの解んない癖に!
ねえ、
私がしょうもないリレーのバトンを渡される羽目になって二十年とちょっと、
私じゃない私の舌先はぶくぶくと肥えてしまって、
お預け喰らった身体は何処にも行けない赤子のようになって、
全てに怯えてしまっているみたい
「1+1=5...わかんないくせに!_歌詞
PΛWLO(ぱうろ)
「彼らに勝てるはずがない」
そのカジノには、双子の天才ギャンブラーがいた。
彼らは、絶対に負けることがない。
だから、彼らは天才と言われていた。
そして、天才の彼らとの勝負で賭けるモノ。
それはお金ではない。
彼らとの勝負で賭けるのは、『自分の大事なモノ全て』。
だから、負けたらもうおしまい。
それ...イカサマ⇔カジノ【自己解釈】
ゆるりー
眠い夢見のホロスコープ
君の星座が覗いているよ
天を仰ぎながら眠りに消える
ゆっくり進む星々とこれから
占いながら見据えて外宇宙
眠りの先のカレイドスコープ
君が姿見 覗いてみれば
光の向こうの億年 見据えて
限りなく進む夢々とこれから
廻りながら感じて内宇宙...天体スコープ
Re:sui
クリップボードにコピーしました
ご意見・ご感想