部屋はお酒のにおいが強くて、ちょっと気持ち悪くなりそうだ…
兄さんは大丈夫か？

リ「兄さん…お酒のにおい凄いけど、大丈夫？」

カ「う…うん…なんか吐きそう…」

リ「ちょっと、ここではさすがに…。無理しないでよ？」

カ「うん……」

女帝は赤いドレスに身を包んでいた。一目見たときよりさらに綺麗に見える。

メ「はじめましてー！　あたしが女帝の中の人の、メイコです」

中の人って…。見た感じだと堅苦しくも見えるが、話してみるとそうでもなくて安心した。

ミ「はじめまして！　ミクです！」

カ「綺麗な方ですね！　僕はカイトと申します」

グ「あたしは長女のグミです！！」

レ「レンです」

リ「リンです」

メ「みんなのことは呼捨てでいいかしら。私のことは何でもいいよ」

話しやすい感じの人だ。
なんかグミ姉みたいにしっかりしてて、お母さんみたいな感じの人だな。

グ「で、相談があると聞いたんですけど…」

メ「ああ、そうだった！　えっとねえ、その相談というのが…恥ずかしながらあたしは酒癖がものすごく悪いのよ…。夜になれば分かるわ。いつもお酒はだいたい夜に飲むから…」

テ「そうなんですよ！！　僕なんか、メイコさんに何回付き合わされたことか！！」

メ「こら！！　テト！！」

テ「あぅ！　すいません！」

テトさんも本音がついつい口に出てしまったようだ。
メイコさんはお酒を飲むとどんな感じになるんだろう？
暴れたりして…

私はメイコさんに絶対いえないことを勝手に考えてた。うっかり口に出さないようにしながら。

カ「では、僕たちは夜まで何をしていれば…？」

メ「それは自分で考えなさい」

カ「は、はい…」

気のせいだろうか、メイコさんがなんか兄さんにだけ冷たいと思うのは。

テ「じゃあそれまでは町など見て回ってください。夕方ごろにまた来ていただければ」

ここまできたのに夕方に来いって…めんどくさ…仕方ないか。

グ「じゃあさっきのお店に戻ろう」

リ「うん」

テ「ほんとうにごめんなさい！」

カ「別にいいよ」

兄さんが少しだけ嬉しそうなのも気のせいだろうか。
いや、気のせいじゃないな…外に出られるから嬉しそうなのかな？

リ「嬉しそうだね。でもよかったね兄さん、外に出られるし」

カ「あ、リン分かった？　この中より外のほうが空気がいいからね！」

メ「空気がなんだって？」

カ「あ、なんでもないです！　ではまた夕方！！」

兄さんが廊下を走っていってしまったから、私たちも部屋を後にする。

庭を出て、門を抜けた。

カ「ふ～う…怖かった…」

ミ「にしても、綺麗だったね！」

グ「そうね！　でも見かけによらず、お酒が大好きみたいね」

レ「兄さんが吐かなくてよかった」

リ「同感」

カ「え！　リン！　それって心配してくれてんの！？　なんか傷つくんだけど！」

ミ「それより買い物の続き！　いろいろ買いたい物あったし早く行こう！」

ミク姉はただ買う事しか頭にないのか…

その後、お店について、ミク姉がぬこみみやら、メイド服やらを買っていた気がするが、気のせいだろう
ぬこみみなんて、つける人いないもん。

あれ？　レンがまたいやそうな顔をしているけど、これも気のせいだよね！