【VanaN'Ice】背徳の記憶~The Lost Memory~ 2【自己解釈】

投稿日:2012/02/22 13:48:42 | 文字数:1,558文字 | 閲覧数:17,184 | カテゴリ:小説

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まだ原曲の歌詞出てきてない^q^

本家様 http://www.nicovideo.jp/watch/sm16321602

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TEXT
 

少女の後を追って建物の中に入ると、そこはまるでどこかの屋敷のようだった。


「ひ、広い…」
「…そう?普通ですよ」
「え…」
「むしろ…けっこう前に住んでた家に比べると…狭いほうです」
「えー…」


もっと上があるのか、と言いたくなるほどの広さだ。


「でも、こんな大きい家…俺は始めて見ました」
「……そう、ですか…
 その、私のこと…わかりますか?」
「え?」


俺は褒めたつもりなのに、少女は顔を曇らせた。
何かまずいことでも言ったのだろうか?
そして、俺は彼女がわからない。
初対面のはずなのに、何故…?


「…やっぱりなんでもないです」
「あ、すみません。あともう一つお願いが」
「…?」


少女は訝しげな目でこちらを見る。


「あの、タオル貸してもらえますか?髪とか濡れてしまったので…」
「あ、そうか。…全身びしょ濡れじゃないですか」
「あ、ほんとだ」
「風邪ひいてしまうといけませんね…お風呂入っていきます?」
「…え?いいんですか?でもそこまでお世話になるわけには…」
「ていうか入ってきてください。本当に風邪ひきますよ」
「じゃあお世話になります」


なんだろう。
この少女、一瞬殺気を感じたような…


「着替えは後で持っていきますので」
「はぁ…どうも」


初めて会う人にここまで優しくしてくれるとは、いい人だな…。


…うん?着替え?




*




「あら、似合ってるじゃないですか」


俺がもとの場所へ戻ってくると、少女は嬉しそうな声で言った。


「…」
「ん?どうしました?」


なんで俺にピッタリ合う服がここにあるんだ。
まるで、少女が最初から知っていたみたいに。


「…」
「大丈夫、前から家にあったものです。新品です」


いや、新品とかを気にしてるんじゃなくて…


これ、何?


「なんでこんな服なんですか?」


ジャケットはベストと燕尾。
そして、右手にバラリボンである。


「凄く似合ってますよ」
「いや、そうじゃなくて、なんでこんな…」
「あぁ、そうですか。じゃあわかりやすく言います」

「私の執事になりなさい」




………え?


「あなたを助けたんです。これくらい、聞いてもらえますよね?」
「ん、いや、まぁ、そうですけど、ほら家とか」
「あなたが来たと思われる方向…何やら燃えてるのに?」
「え!?」


窓を覗き込むと、何か燃えていた。


「えぇ!?」
「雨の中大炎上よ。すごいわね」


すごいとかじゃなくて…
どうしてこの大雨の中、あんなに燃えてるの?
不思議でならない。


「ということよ。観念なさい」
「…はぁ。わかりました」
「やった!」


その時、初めて少女の笑顔を見た。


「そうだ、名前教えてくださる?」
「名前…?」
「そうよ」


名前。

俺にもあるはずなのに。
普段から知っているはずなのに。

一ヶ月前のあの日から、俺から何かがなくなっていた。
自分がわからない。


俺は誰?



「どうしました?」
「…わからない」
「え?」

「俺はわからない。記憶が無いんです…自分が、誰なのか」



あの日目覚めたときから、何がおこったのかはわからない。
気づけば、何もかも失っていた。



「…がくぽ」
「え?」

「教えてあげる。神威がくぽ、それが…あなたの名前」
「かむい…がくぽ…?」



それが俺の名前?


「丁度いい、話を聞かせてもらうわ。…彼も一緒に、ね」


俺は彼女の言葉を聞いて振り返る。
すると、そこには誰かがいた。


「あなたと同じ境遇。名は…始音カイト」

「俺と…同じ境遇…?」


「…僕と、同じような人間、か…」


青い髪の男が、そこにいた。

のほほんと生きる物書きです。
ギャグから真面目なものまでいろんなジャンルの小説を書いています。
…のはずが、最近はがくルカを書くことが多いです。


IN率低いです。
マイページ以外では「かなりあ荘」というコラボに出現します。

全体的にgdgdなものが多いです。
小説は、自己解釈もオリジナルもやってます。
だいたいはその場のノリで書いてます。

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