仕事が終わり、家に着くと同時に深い溜息が出た。
2週間ほぼ休みなしで働いたのがきつかったのだろう。身体が重い。多分顔も疲れ切っているのだろう。
この顔じゃあいつに心配されるかな、と苦笑いをしながら家に入る。
ただいま、と言っても返事は無い。
代わりにちょっと音の外れた歌声が聞こえてきた。同居人のあいつが歌の練習をしているのだろう。


 *


『ごめん、2週間くらい仕事が忙しいからお前の相手できないかも』

都合がつかなかったとはいえ、申し訳ないとは思っていた。
私がそう言うと、あいつは少しだけ残念そうな顔をしたが、すぐに微笑んで口を開いた。

『仕方ないですよ。自主練習しますから、俺の事は気にしないでください』


 *


ホントに2週間、ずっと歌の練習してたんだなぁ。
家に入ると、いつも聞こえてきたのはあいつの歌声で。
いつも同じ音を外してたりとか、同じ歌詞間違えてたりとか。進歩してんのかなぁとは思ったけど。
声のする部屋のドアを開けた。

「ただいま、KAITO」

青い髪の同居人が、歌を止めてこちらを振り向く。
私の顔を見て安心したような笑みを浮かべていた。

「おかえりなさい」

その声を聴いて、私も安心した。

「アイス買ってきたから、後で一緒に食べよう」

彼は嬉しそうな笑顔を見せた。
明日は久々の休みだ。一緒に歌おう。一緒に過ごそう。

ライセンス

  • 非営利目的に限ります

ある日の帰宅

文章力もないのに小説らしきものを書いてみました。
仕事が終わって帰ってきたマスターと、帰りを待ってたKAITOのお話。KAITO全然出てないですが。
特に内容もない薄っぺらい話になりました。気が向いたらまた書くかもです。
ちなみにマスターは一人称が「私」ですが、男でも女でもどっちでも読めそうな感じに。というか、思いつきで書いたのでマスターの設定とかはないです(死

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投稿日:2009/08/17 21:46:36

文字数:586文字

カテゴリ:小説

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