【あのこのママが欲しい】

作詞・作曲 / まみすけ
歌 / 歌愛ユキ


あのこのママ
包み込むように
やさしく笑うの
かなしくなっちゃった
ずるくてもいいの
わたし おとこのこになっちゃいたい

あのこのママが欲しい
いっそならば
あのこになりたい
じぶんがわからない

あのこのママが欲しい
ほんとならば
あのこがよかったな
じぶんがだいきらいだ


あのこのママは優しく笑う
その先に天国があるような錯覚がした
あのこのママは包み込むような声でわたしを呼んだ
焼きたてのお菓子の香りと
わたしの胃袋には決しておさまる事の無い夕飯の匂い
時間ギリギリまで待ってわたしは去るの
あのこのママが欲しい


あのこのママ
おひさまのにおい
はじけてつつくの
さびしくなっちゃった
いちどでもいいの
わたし おとこのこになっちゃいたい

あのこのママが欲しい
いっそならば
あのこになりたい
じぶんがわからない

あのこのママが欲しい
ほんとならば
あのこがよかったな
じぶんがだいきらいだ



あのこのママはふわりといい匂いがした
あのこのママに気に入られようとわたしはおとこのこになった
あの子がわたしを気に入ればきっとあのこのママに気に入られる
あの子になればわたしはあのこのママの隣に居れる
あの子を好きだと信じればあのこのママもわたしを好きだって思えた
あのこのママが欲しい


あのこのママが欲しい
いっそならば
あのこになりたい
じぶんがわからない

あのこのママが欲しい
ほんとならば
あのこがよかったな
じぶんがだいきらいだ

あのこにはなれない
あのこにはなれない
あのこにはなれない
あのこにはなれない


あのこにはなれない
あのこのママはわたしを呼んだ
傷つくほどに優しく甘い声で

どうしてわたしのママはわたしをぶつの
何でわたしはあの子じゃないの
着飾ってもあの子にはなれない
あの子はあのこのママと同じ目でわたしを見つめる
憎しみを知らぬ永遠の少年の目でわたしを傷つける

わたしはわたしが嫌い
わたしはあの子が嫌い
あのこのママが嫌い
大嫌い大嫌い 大嫌い!
わたしはかわいそうなママの元へお腹を空かせて戻る

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

あのこのママが欲しい

あのこのママが欲しい

わたしはおとこのこになった。

おとこのこの格好をした自分をうっとりと眺めて、色々なやさしい年上の女性の事を考えて泣きたくなった。
髪の毛をやさしく洗ってくれ、葡萄色の特別のトリートメントを使ってくれたひと。
身体を見られるのが恥ずかしくて、あわてて着替えるわたしの背中の水滴をやさしく拭いてくれたひと。
友達が眠ったあと、わたしとお話ししてくれたやさしいひと。
丸付けをしているデスクにあった、学校でしか見ることのない先生が持っているシールをくれた教師だったあのこのママ。
栄養士で色んなお菓子を作ってくれるあのこのママ。
わたしの色々を具体的にほめてくれる素敵なひと。

みんなわたしのママではなかった。

もう、顔も思い出せない。

ただ抱きしめられたかった。
優しく、無条件に愛を注いでほしかった。
厳しさを愛情と知るにはわたしは弱かった。
あれは厳しさというよりも苛立ちだった。
わたしは要領の悪い出来損ない。
でもわたしは母に無条件の愛情を与え続けた。
哀れみだったのかもしれない。

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投稿日:2023/03/19 02:33:53

文字数:921文字

カテゴリ:歌詞

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