弾丸の様に逃げて出した子供達はあっという間にどこかに行ってしまった。何か家に居る時思い出すなぁ。

「あ、拳銃君、ねぇねぇ子供達居た?」
「見て無い…子供って変な所に居たりするしね。」
「お菓子に釣られて出て来ないかな?」
「持って無いよ。」
「じゃーんキャラメルクッキー!美味しいから猫君に作って貰ってたんだ。」

それ以前に何処からクッキー出したのかちょっと気になったけど…まぁ良いか。

「猫さんてチェシャ猫だっけ?仲良いんだね。」
「ん~?普通だと思うけど…?どしたの?急に。」
「別に…。」
「変なの。」

鳳仙花はクッキーの袋を開けるとポリポリ食べ始めた。あれ?何か忘れてる様な…。

「って食べちゃダメじゃん!子供にあげるんでしょ!」
「ああ!そっか!美味しそうだったからつい!」
「大体クッキーなんかでそうホイホイ来る訳…。」
「ルネもおかちたべる~。」
「や~ん!この子可愛い~!あげるあげる~!」
「来たし!!」

何処からとも無くフリフリな服の小さな女の子が現れた。鳳仙花からクッキーを貰って満足そうに頬張っている。はっ!もしかしてこのままだと花貰えない?!

「ありがとーおねえちゃん。」
「良いの良いの~はぁ~~可愛い…。」
「じゃあ、お菓子のお礼だよね?」

女の子は首から下げたホイッスルを盛大に鳴らした。何事かと思っていたらツカツカと足音がした。

「ひつじ~!」
「ルネちゃん、お疲れ様。」
「帽子屋?!」
「はい。」
「あ!ルネがいう!ルネがいうの!」
「ん、判った、じゃあルネちゃんよろしく。」
「あい!えーと…『おはながほちかったら、たからちゃがちをちなたい!』」

判り難い!何と無く言葉を繋ぎ合わせて、聞き間違いでなかったら…宝探しをしなさいと言ったか?この子。帽子屋は内ポケットから一枚の封筒を出した。

「この封筒に書かれている物を探し当てて私の所に持って来て下さい。先に持って
来た方を勝ちとします。」
「ええええええ?!何それ…!!」
「それでは御健闘をお祈りします。」
「ひつじーおなかちゅいたー。」
「さっきクッキー食べてたでしょ?お菓子はダメだよ。」
「ぶー、ひつじいじわゅ…。」

暫く俺達二人は呆然と2人の背中を見ていた。

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  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

DollsGame-52.パセリ-

端から見ると誘拐犯

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投稿日:2010/08/04 16:07:59

文字数:944文字

カテゴリ:小説

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