緑の国が、王女の手によって、滅んだ。
 その話は、すぐに国民全員に伝達した。そして、それに国民の反発が高まった。そして、反王女の集まりができ、黄の国、青の国、そして緑の国の一つ向こう、桃の国の人々までもが参戦した。
 その人々を率いるのは、赤き鎧に身を包んだ女剣士だった。



 もうすぐこの国は終わるだろう。そう、感じた。緑の国を滅ぼした事により、思ったより国民が反発したのだ。緑の国の戦で疲れた兵士たちをものともせず、国民は突き進んで来る。中には寝返った兵士たちもいるようだった。そして、城には僕とリンだけが残った。
「レン!!」
 リンが駆けてくる。
「レン、早く逃げるの!!!早くしないと、2人とも処刑よ!?」
 処刑。
 逃げても、もう兵士達は全員国民の方に対応していて、誰も守る者はいない。捕まるのも、時間の問題だ。だから――
「リン。約束したよね。絶対に君が僕を守るって」
「…レン?何を……」
 例え、この身が滅んでも、リンは僕が守る。
「はい。僕の服。貸してあげるから、これを着てすぐ逃げるんだ」
「…え……」
「大丈夫、僕らは双子だよ。きっと、誰にも解らないさ」
 そこで僕は後ろを向き、
「ジョセフィーヌ!」
 呼ぶと、リンの馬が駆けてくる。そしてこちらに着くと、
「召使(・・)を乗せて逃げるんだ」
 そして、馬の上にリンを乗せる。
「嫌…また、離れ離れになるの…?そんなの、嫌っっっ!!!!!」
 彼女は泣く。でも、
「召使が…口答えするんじゃない。僕が、王女が逃げろと言ったら逃げればいいんだ。解った?」
「……レン」
 リンが何か言う前に、
「ジョセフィーヌ。行け」
 それで馬は走りだす。そして僕は――…

僕は王女、君は逃亡者。
運命分かつ、哀しき双子。
例え国の全てが君の敵に回っても、僕が君を守るから。
君を守るその為ならば、僕は悪にだってなってやる。
だから、君はどこかで笑ってて。

 城は蛻の殻だった。使用人が残っていれば全て捕まえるつもりだったが、その必要は無かった。今、彼らは玉座のある部屋に向かっている。きっとそこに王女はいる筈だ。
「皆、行くよ!」
 彼女が―赤き女剣士がそういうと、人々は声援を上げて応える。横には、青の王子が居る。彼女は青の王子を見つめて、
「……」
 しかし、何も言わなかった。

 扉が開け放たれた。そこには20人くらいの人がいた。しかし、城の外にはこの何十倍もの人々がいる。よく見れば、異国の人も少数混じっているようだった。
 それを見て、『王女』は…
 嘲笑(わら)った。そして、
「あら、ずいぶんと嫌われたものね。で、税金を低くしてほしいから署名を集めてきたって?」
 その言葉に、彼らは怒鳴ろうとしているのを抑えているようだった。その中に青の王子がいた。彼の姿を見て、少し心が痛む。
だが、リンなら、こうすると思った。
「青の人…わざわざ会いに来てくれたのかしら?」
 それに、青の王子ではなく赤の剣士が答える。
「王女様、お遊びはほどほどにしてちょうだい」
 そして、剣を突き付ける。しかし『彼女』それを振り払い、静かに言う。

「この、無礼者!」

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

悪ノ召使ノ物語Ⅳ

ジョセフィーヌ行くなぁぁぁ!

次が最終です

閲覧数:314

投稿日:2010/02/02 17:37:55

文字数:1,443文字

カテゴリ:小説

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  • 波漣

    波漣

    ご意見・ご感想

    お笑いでもやってますもんねwww

    2010/04/02 17:48:32

  • 波漣

    波漣

    ご意見・ご感想

    ぶっ!!!ジョセフィーヌ!!

    また吹き出しちまった!!!うるうるだったのに!!

    2010/04/01 20:26:30

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