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「もう、桜の季節か」
そう呟いた。
辺りを見回すと、一面桃色だった。実を言うと、僕は桃色が嫌いだった。桃色は――嫌な記憶を蘇らせるからだ。
桃は、僕の姉の色。僕の姉の、髪の色だった。黒い地味な僕の髪と違って、鮮やかな桃色。太陽に照らされきらきらと光っていた。
僕の憧れだった姉が死んだのは、3年...最後のリボルバー Ⅰ~『あなた』視点~
グーフ&ボイスレコーダー
「……嘘だ」
――唯一つ――
僕は、泣きそうな顔で呟く。
でも、悲しいほどにそれは現実で。
そう、それは―――“終末”
人が、次々と消えていく。村の真ん中にある、直径10センチくらいの、小さな穴から矢が飛び出していく。そしてそれはどんどん人に刺さっていく。
刺さった者はその痛みに叫び。
...――僕ガ、終ワッテシマウ、マエ、ニ
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「ねえ、歌おう?」
「『ヒト』って、ふと旅に出たくなるように眠る場所を求める、そういうものだと私は思うの」
そう君が話したのは、確か流星群の夜だったかな?
僕は、君と一緒に丘に座っている。空を見上げながら。
僕は言う。
「眠る場所、か…」
「そう」
「……でも」
僕は丘の下に広がる、...さア、一緒に歌オウ――
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「うん、これでよし」
凛(リン)が釜戸に大量のブリオッシュを入れる。
それを見つめながら、白(ハク)は聞く。
「凛、ずっと思ってたんだけど…」
「何ー?」
焼けていくブリオッシュを見つめながら凛は答える。
白は続けた。
「何で、ブリオッシュを作るの?お菓子なら他にもたくさんあるのに………」
...epilogue 白ノ娘トブリオッシュ
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町はずれの小さな港
1人佇む凛(リン)
背後から近づく私
懐からナイフ取り出して
王女様の背中に向けて
振り上げた――...fifth chapter 白ノ娘ト悪ノ娘
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翌日、王女は公開処刑される―という事に決まった。
本当は、私が処刑される筈だったのに―――
ごめんなさい。レン。
泣くかと思ったが、涙は枯れていた。これほど泣いたのは、あの日……母が死んで、レンと離れ離れになった時以来だった。
広場には、以前私が用意させた断頭台がある。これで何人人を殺して...悪ノ召使ノ物語Ⅴ(最終話)
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いつのまにか二人は、とても仲良くなった。
だけど、私と彼女、何もかもが違った。
「ん……」
目を覚ますと、まだ辺りは真っ暗だった。
「何だ…まだ夜中かぁ」
私は再び眠りに着こうとするが、
...force chapter 白ノ娘ト…?
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みんな、みんないなくなってしまった。
白い髪の私以外。
残った物は、心の傷。
あの絶望。
耳に付き纏う悲鳴。
...third chapter 白ノ娘ト黄ノ娘
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緑の国が、王女の手によって、滅んだ。
その話は、すぐに国民全員に伝達した。そして、それに国民の反発が高まった。そして、反王女の集まりができ、黄の国、青の国、そして緑の国の一つ向こう、桃の国の人々までもが参戦した。
その人々を率いるのは、赤き鎧に身を包んだ女剣士だった。
もうすぐこの国は終わる...悪ノ召使ノ物語Ⅳ
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――そう。幸せは長くは続かない。そう、決まっている…
ある日、屋敷で見かけた綺麗な青い髪の優男。この国の人では、無かった。誰もが見とれる美しい顔立ち。
そう、あいつと未来(ミク)との出会いが、全てを狂わせた。
彼は、海の向こうの国の王。彼は未来を深く愛した。そして――
ある日...Second chaputer 白ノ娘ト青ノ王子
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ある日、千年樹の傍に先約がいた。どきん、と鼓動が跳ね上がる。綺麗な緑髪――この村の住人だった。でも、動かない。倒れている。
――死んでる?
背筋が凍る。鼓動はどんどん速くなっていく。
その鼓動を押さえつけて、私は近づいて、肩を揺さぶる。すると――
「………ぅ…」
「!」
反応があった。そ...fast chapter 白ノ娘ト緑ノ娘
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昔々、森に囲まれた平和な国。
そこに住んでいるのは、きれいな緑の髪の住人達。
ただ1人を除いては――
『生きていてごめんなさい』
いつのまにか私の口癖。村の人たちは皆綺麗な緑の髪。
なのに、どうして?私だけ人と違う白い髪。まるで老人のように白い髪。色の着いていない、仲間はずれの白い髪。どう...prologue 白ノ娘ト千年樹
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その日僕は馬に乗り、隣国の緑の国に来ていた。
緑の国は野菜が美味しいと聞いたから、最近野菜を食べたがらない王女にも食べてもらえるかな、そう、思ったのだ。
そして、最後に寄った店には長い髪を横で結んだ、緑のあの子がいた。
「あれ、見かけない顔ですね」
緑の子が僕に気がついた様だった。
「あ…え...悪ノ召使ノ物語Ⅲ
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母は、一年前からある病気に苦しめられていた。それは未知の病気だった。
不治の、謎の、絶望の病。
母が死ぬのは時間の問題だと思っていたが…
「何だ?今頃捨てられるのが怖くなったか?」
「いっそ殺せばいいんじゃないのか?」
その言葉に、リンの顔は青ざめる。
「嫌…レン……殺さないで!!!レンを殺...悪ノ召使ノ物語Ⅱ
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あるところに、ちいさな「ゆめ」がありました。
だれがみたのかわからない、それはちいさな「ゆめ」でした。
しかしその「ゆめ」をみたひとは、めがさめてしまいました。
「ゆめ」は、ひとにみてもらうために、あるのです。
だれもみてくれないと、その「ゆめ」は、
きえてしまうのです。
きえてしまうのです。
ちい...人柱アリス Ⅰ‐赤のダイヤ‐ (グロ注意)
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―昔々ある所に、悪逆非道の王国が在りましたとさ―
期待の中、僕らは生まれた。
教会の鐘が、僕らの為だけに鳴っていた。
――いや、『僕ら』ではなく、『彼女』の為に。
昔から、『双子は忌み子』でした。
王族に双子が生まれると、その代で一族は滅ぶのです。
だから、双子が生まれた...悪ノ召使ノ物語Ⅰ
グーフ&ボイスレコーダー