いつのまにか二人は、とても仲良くなった。
だけど、私と彼女、何もかもが違った。

「ん……」
 目を覚ますと、まだ辺りは真っ暗だった。
「何だ…まだ夜中かぁ」
 私は再び眠りに着こうとするが、

『起きて』

 声が、聞こえた。いや、心から響いてくる。

『懺悔室に…』

 また、来た。
「何、なの、これ…」
 声は続く。

『あなたの、親友…』

 その言葉に、白は目を見開く。
 ――親友…未来が、未来がいるの?懺悔室に?でも、未来はもう死………
 そこで、思考が止まる。
 そこで、思考がかき消される。そして、体が脳の命令を無視して動く。
「………」
 驚きの声を上げる事もできなく、私はその光景を見つめる。思考が消されたのは、一瞬だったようだ。
 上半身が起き上がる。立ち上がる。そして扉を開け、廊下を歩いていく。
 ――どこに、行くの?
 だがその答えはわかっている。懺悔室だ。私は何故かぶつかることも無く真っ暗な廊下を進んでいく。ただ、闇の中を歩く。
 途端、背筋がぞくりとする。
 ――嫌!この先に行ったら………

― 私は、闇に呑まれる ―

 そう、感じた。
 思ったとかそういう事じゃなくて、ただ単に、感じた。本能が拒絶する。でも、体はそれに従ってくれない。
 ――何が起こっているの?
 ――ついさっきまで、私はただ寝ていただけなのに、私に何をさせようというの?
 ――私に、何をさせようというの?
 もちろん、その問いには誰も答えてくれない。そして、懺悔室の扉の前に着く。扉はほんの少し、人が1人片目だけでのぞけるだけ開いている。そしてそこをのぞき込むような体勢になった時。
「!!」
 途端、体が思い通りになる。
 彼女はすぐに戻ろうとするが、懺悔室の中に、灯りを見つけてしまう。
「………?」
 よく見ると、それは蝋燭の火だった。そして傍にいる誰かの周りを照らしている。そこにいたのは………
「凛…」
 私は呟く。もちろん彼女の耳には届かない。でも、彼女の声は聞こえる。
 あぁ。
「私が、国を…滅ぼしました」

 誰もいない夜の懺悔室――

「ごめんなさい、レン」

 偶然聞いてしまった、彼女の告白――

「ごめんなさい、私の弟」

 あぁ。なんということでしょう――

「私の身代わりに死んだ、弟…」

 彼女は正に――

「私の、召使………」



  ‐悪ノ娘‐

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

force chapter 白ノ娘ト…?

すみません今回短かったですね(・・;)

きゃぁぁぁ!リィィィン!!

閲覧数:321

投稿日:2010/02/05 06:43:44

文字数:1,185文字

カテゴリ:小説

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