テトさんの店、「カフェ・つんでれ」で。

お客の霧雨さんが、テトさんに熱心に勧めているのは…
新製品のアイデアについてだった。

「こんどのテト・ドールに?」
テトさんは、霧雨さんに聞き返した。
「そうです。テトさんの製品ですもん、デザインとかはきっと、素晴らしいと思うけれど」
霧雨さんは、うなずきながら言った。
「そこに、ちょっと色んな、“仕掛け”をつけたら、どうかなと思って」

テトさんは、首をかしげた。
「え?仕掛け?」

「そうです。この“はっちゅーね”の時みたいに、いろいろ、人をビックリさせるような、です」


●ちょっと細工してあるんだ!

すると、2人の会話を聞いていた、カフェのマスターの西さんは、口を挟んだ。
「おや、おや。霧雨さん。やっぱり、その人形には“仕掛け”があったんですね」

彼女は、そう言われて、ニヤッと笑った。
「まあね。もう、今だから言っちゃうけどさ」
と、言って、手元の人形の頭をなでた。
「実は、ニコビレのデフォ子さんに頼んで、これ、ちょっと細工してあるんだ」

やっぱりね、という顔で、マスターはうなずいた。

テトさんは、初耳だったので、ちょっと不思議そうな顔をして、“はっちゅーね”人形をのぞき込んだ。


●個性派が多いわねー!

いっぽう、こちらは、ゆくりさんの雑貨店「ゆっくり」。

店のカウンターで、レンくんとゆくりさん、そしてりりィさんが話をしていると…
お店に一人のお客が入ってきた。

それは、駿河ちゃんだった。

お店の棚に並べてある、いろんなキャラクターの雑貨を楽しそうに眺めていた彼女。
やがて、カウンター近くに来ると、3人と目が合った。

「あれ」
ボーイッシュな格好をした彼女は、ちょっと驚いて声を上げた。
そして、レンくんに会釈をする。

レンくんも挨拶を返した。
「ときどき、ライブハウスでお会いしますね」

「そーですね。確か、リンちゃんのお兄さんでしょう。ははっ。こんちは!」
彼女はにっこり笑って言った。

「彼女、リンちゃんのやってる音楽の、バンドの知り合いなのかしらー?
はたで見ていたゆくりさんは、思った。

「アタシの店も個性的って言われるけど、来るお客さんも個性派が多いわね~」ヾ(~O~;)

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい
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玩具屋カイくんの販売日誌(208) 霧雨さんの“新製品”提案!

個性派が集うお店。はたして新製品は、どうなるのかな?

閲覧数:119

投稿日:2013/09/08 20:39:56

文字数:944文字

カテゴリ:小説

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  • enarin

    enarin

    ご意見・ご感想

    今晩は~! 今日は新着即拝読してコメ書けました!

    お店にいろんな方がやってくるのは、本当に素敵ですよね♪ 自分もこういうシチュで喫茶店の小説書いた(冒頭だけだったけどね)のでよくわかります~♪

    さてはて、レン君にも目を付けてきたわけで、これは楽しみですね~♪

    ではでは~♪

    2013/09/08 21:38:34

    • tamaonion

      tamaonion

      enarinさん、コメント有難うございます。

      >お店にいろんな方がやってくるのは、本当に素敵ですよね♪ 

      店はいろんな出来事があって面白いですよね。舞台になりやすいと思います。


      >自分もこういうシチュで喫茶店の小説書いた(冒頭だけだったけどね)のでよくわかります?♪

      商店街の話でしたっけ?また探して読ませていただきますね。

      また感想を聞かせてください!

      では、また。

      2013/09/10 22:06:47

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