大学3年生。
理系の学部らしい。(頭いい!)
自称彼女ナシ。(あたしはいると思ってる)
歌のサークルに入っているらしい。(聞きたい。とても)
バイトは、コンビニと家庭教師。(あたしの)
好き、です。(片思い)
あたしの持っている、レン先生の全ての情報。
カテキョ。
「あたし、先生のことこれだけしか知らないんだ…」
自分から相談しておいて伝えることがこれだけしかないと、相談にもならない気がする。
好みの音楽だとか、服だとか、映画だとか、…女の子だとか。
そういうの、何も知らない。
「でも彼女ナシならまだ望みはあるじゃん」
「絶対いるもん!…あんなかっこよくていない方がおかしいもん…うああみきぃ」
家庭教師に恋をした、なんて小説の中みたいな話だけど好きになってしまったんだから仕方ない。
先生が優しいのがイケナイんだ。
「そんなかっこいいならあたしも見てみたいなー」
と、ポッキーを銜えながら言うのは同じクラスのミキ。
「…ダメ」
「いーじゃん。減るもんじゃないし」
「……ミキが先生のこと好きになったら勝てないもん…」
ぶは、と笑ってポッキーを喉に詰まらせたらしい。
こっちは真剣なのに。ざまあみろ。
「いくらなんでも大切な友達の好きな人取らないって」
それにあたし外見で選ばないし、と付け加えた。
「しっかしまぁそんな好きなんだねー、へぇ。あのリンがねぇ」
にまにまと面白そうな顔で見られて悔しいけど、恋愛経験ゼロに近い私は経験豊富なミキ先生に頼るしかないのだ。
「これから色々相談のってね?」
「付き合ったら紹介してくれるのを条件に相談のったげる」
「そんなの、」
「リンに選ぶ権利はないの。強制だから」
面倒見がいいのか心配してくれているのか面白がっているのかはよくわからないけど、マニュアルなんてないんだからリンが頑張るしかないんだよ、と言ってジュースを買いに自販機に行ってしまった。
口にしては絶対に言えないけど、さりげないミキが大好きで、あたしの自慢の親友。
先生が来てくれる日は朝から落ち着かない。
ううん、好きだってわかった時からずっと落ち着かない。
宿題はやった。
部屋も綺麗にしたし、身だしなみも大丈夫。
気合いは十分なのに先生が来るまであと1時間もある。
ベッドに腰かけて携帯で時間を何回確認してもあと1時間。
『好きな人に染まってく自分って、言葉にしにくいけどいいもんだよ』
と言っていたミキを思い出す。
こういうことなのかな?
先生がピンクの可愛らしい部屋が好きなら少しずつ小物を集めようと思うし(残念ながらあたしの部屋はとてもシンプル)、ギャルみたいな服装が好きなら買ってみようとも思うし。
好きって、こういうことなのかな。
自分が自分じゃないみたいでちょっと気持ち悪いけど…先生のためならって思える。不思議。
クッションをぎゅうっと抱きしめて寝転がる。
「リーンちゃん」
はっと気がつくと記憶はベッドに寝転がったところまでで、スキップしてレン先生の声がした。
「起きた?」
「…ごめんなさい!!」
準備までは完璧だったのに、最悪。
もう、恥ずかしくて顔から火が出そうでこの場から消えたくて顔を上げられない。
「いいって。返事ないから何かあったのかと思っただけ。学校忙しかったの?」
「いや、全然忙しくなかったんですけど…」
朝から、というか昨日の夜から緊張していました先生のせいで、なんてとても言えない。
「疲れてるなら今日このまま帰るよ?」
「や、授業してください!」
下げていた顔を上げて見た先生は優しく笑ってくれた。
「リンちゃんは真面目だね」
「寝てて真面目なんて言いません…」
「いや、ちょっと前はサボリ常習の子受け持っててさ、家に行っても誰もいないし、その間もちろん勉強してないから成績落ちて俺のせいにされるし。その点リンちゃんは成績も点数も伸びてるからデキスギちゃんだよ」
「それは、」
先生に成績見せなきゃいけないから、先生に褒められたいから頑張ってるだけなんです。
不純な動機なんです。
「先生の教え方がいいからですよ」
それも本当のことなんだけど。
勉強が好きじゃないあたしがこんなに頑張れているのも先生のおかげだし、そもそもこんなに頑張ってるのは先生と同じ大学に行きたいだけなんです。
今あたしがしている全てのことは先生が動機なんです。
「あ、そうだ」
そう言って自分のバッグから小さな紙を一枚破ってさらさらと何か書き始める先生。
「はい、俺のアドレス」
「えっ」
「そう何回も休まれたら困るけど、リンちゃんなら1日くらい休んでも大丈夫だから。友達と遊びたい日とかは事前に連絡して」
「め、メールしていいんですか!?」
「はは、だからそのために渡してるんだって」
もっといっぱい話をして、仲良くなってから勇気を出して聞こうと思っていた先生のメールアドレスを先生からくれるなんて。
嬉しくて嬉しくて、胸がいっぱいで、あたしが世界で一番幸せなんじゃないかと錯覚しそう。
「ありがとうございます!」
「いーえ。それにしても今日は給料泥棒だなー、あと20分しかないや」
お父さんとお母さんには悪いけど、毎日給料泥棒しに来てください。
毎日毎日、先生のことを好きになっていく。
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ブクマつながり
もっと見るレン×リンパロおkな方のみスクロールしてください。
二人ともとてつもなく忙しい芸能人という設定だとしっくりくるかも…?
・・・・・・・・・・・・・・・・
「明日何時から仕事?」
「…9時……」
遠くにレンの声が聞こえて眠りについた。
「リン、そろそろ起きないと」
「…ん、」
「おはよ」
見慣れない天...レン×リン
cam_cam
※レンリン、カイミク要素あり
※高校生設定
「つまりはチェリーボーイ?」
――神様、神様。
くったくないカオして、いちごみるくをすする目の前のこの男。
ぶん殴っても、いいですか?
*** LOVE IS BLIND! ***
「だってそーいうことだろ?」
「意味ちげーよっつか、おまえマジいっぺん黙れ...LOVE IS BLIND!
Riria
(暇だなぁ…)
そう思いながら、レンはテレビを眺めていた。
内容は頭に入っていないらしく、ボーッとした表情からそれが伺える。
現在レンは双子の姉と共に、留守番の最中だった。
当の家主であるマスターは、年長のテトと一緒に買い物に出掛けている。
時計を目にやっても過ぎた時間はほんの30分、帰ってくるのは...飴玉より甘いモノ
欠陥品
「……リン」
べったべたに甘い空気を含んだレンの部屋でそう囁かれて迫られたら、もう黙るしか選択肢がなかった。
他にできることがあったら教えてほしいくらい。
エアコンはフル回転してくれているはずなのに、こんなに熱い。
設定温度を間違えたみたい。
でも、さっきから少しずつ触れてくるレンからのキスはそれ以...レンリン
cam_cam
私は、ゆっくりと右手を真上に伸ばした。
電灯の明かりに透かすようにして、その形を眺める。床に落としていた左手も同じようにして、左右の手の甲を見比べる。
仰向けで床に寝転がっているせいでなんとなく背中がひんやりするな、なんて思いながら、それでも目線は両手から外さずに。
…そういや、コンセプトか...pair
翔破
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