『私の名前はカヨ・スドウ
 
 今は,円尾坂の片隅にある仕立屋の女主人をしております



 しかし,大丈夫です
 私には,愛する夫がいるのです

 もうすぐ,子供も生まれるのですよ?

 ふふふ』















とか言ってる,ちょっと痛い女の人を見かけました
独り言にしては声が大きかったと思う……
大丈夫なのかなぁ……?















『あの人ったら……
 何と言うことなの!?

 先日まで一緒に居たのは,赤い着物の女と緑の帯の娘
 二人はまだ良かったわ
 ……まぁ,良くはないけど

 今度は何?
 子供じゃない!!


 見損なったわ
 この変態ロリコン野郎!!!』















うん
独り言の声がやっぱデカいよね……
丸聞こえなんですけど……


げっ
何か,こっち来たんだけど……









「ねぇ,お譲ちゃん?」


「んぅ?」









ここは,可愛い子アピールだ!
か弱い一人の少女を演じ抜くんだ!!


頭に黄色いかんざしをつけたまま,振り向く
どうかな?
可愛らしい顔できてるかな?









「ねぇ,さっき一緒に居たお兄さんとはどういう関係なの?」


「あの人ぉ?」


「えぇ
 あのお兄さんとはどんな関係?」
 


『お願いだから『愛人』とか言わないで頂戴ね』









ねぇ,それは心の中で呟いてるつもりなの!?
やっぱり丸聞こえですけども……









「あの人とはねぇ,とってもややこしー関係なの」



『!!
 何ですってぇぇぇ!?』









えー
超驚いてるよこの人ー
どうしよー









「ど,ど,ど,ど,ど,どういうことなかなぁ?
 お,お,お,お姉ちゃん,く,詳しぃく話,き,聞きたいなぁ」


「お姉ちゃん?
 おばさんじゃないの?」



『クソチビがぁぁぁ!!!』









あわわわわ!!
でも,でも,わたしの年齢と比べたらおばさんになるわけだし……









「『おばさん』だなんて失礼でしょう?
 こういうときは,思ってても口に出しちゃいけないのよ?
 『ピッチピチの10代のお姉さま』って呼ぶのが礼儀よ?」


「わたしぃ,ウソつけないので」









純粋な天使の子なんですぅ









「チビは黙って,大人の言うこと聞いてればいいんだよ!!」


「わー
 こわー」



『何なの!?
 この子供!!
 鬱陶しいったらありゃしない!』









『おばさん』は駄目で『チビ』は良いのかよ!









「でー?
 わたしとあの人の関係だっけー?」


「えぇ,そうよ……」



『自身が無いわけじゃないわ
 こんなチビに負ける筈が無い
 でも,男の人って分からないから,もしかしたらそういう可能性も無くはない……

 負けちゃったら,私,悲しくて死んじゃうわよ?』









えー
この人,死ぬ訳ー
ちょ,ソレは困るんですけど……









「アイツはねぇ……」


「うんうん」


「まず,毎日『りんちゃんはホンット可愛いなぁ』とか言ってくる」


「……」



『大丈夫
 まだ,諦めないわ』









もう,独り言無視していい?









「それでね『ホンット,可愛いよなぁ 誘拐したいよ誘拐! で,監禁だ!!』とか言ってる」



『大丈夫よ
 しっかりするのよ,私
 あの人はとっても良い人なんだから』









お願いしますよ
間違っても,これだけの理由で自殺とかしないで下さいね!?









「あとは,『大きくなったら俺がお前と結婚してやろう!!』って言ってる」



『……
 それは,不倫とみなしていいのかしら?』









え,ちょ,おばさんが怖い……

ってか,不倫って何?
この人,あいつの恋人か何かな訳?









「まぁ,用はロリコンってことだよ……っておばさん?」


「大丈夫大丈夫
 負けてなんかいないわ
 私は天下のカヨ様よ?
 近所じゃ,ここらで一番の美人って噂なんだから
 えぇ
 負けてるもんですか
 こんなクソチビなんかに負けてるもんですか……」


「おばさん,怖いよ……?」


「お・ね・え・さ・ん・とお呼び!!」


「は,はいっ!」


「おば……お姉さんは,ロリコンが嫌いなの?
 それとも,ロリに張り合える何かを持ってると思うの?」


「ロリなんて,この世から消えればいいのよ!!」









えー
そこまで言うかー









「えー
 でもぉ
 そんなことしたらぁ,困るちっちゃい子がいーっぱいいると思うんですよぉ
 女の子だけならまだしも男の子も困ると思いますよー?」


「ショタは良いのよ!」










おい……









「私にはねぇ,ロリに張り合えるものがちゃぁんとあるのよ?」


「確かに,おば……お姉さんは大人の女性だからねぇ……」


「あの人に対する愛でしょう?
 この日本人にしては,完璧なるプロポーションでしょう?
 鋏の切れ味でしょう?
 条鰭綱 スズキ目 サバ科 マグロ属に分類される硬骨魚類に対する愛でしょう?

 えーと……えぇ,そうね
 マグロ属の硬骨魚類に対する愛が一番大きいわね」









後半崩れていったぞー
この人ー
最後とかどう考えてもおかしいだろ!!









「あらあら
 何の話をしてましたっけ?」


「もう,何も無いんじゃないんですかー」









そういや,話しかけてきたのそっちだったっけ……









「話ないんなら,わたし帰りますよ?
 もうすぐ,アニメ始まる時間なんで」


「あら,そぉう?
 でも,それならしょうがないわね
 アニメはやっぱりリアルタイムで見ないと!」


「じゃ,じゃあさよーならー」


「ばいばぁい」









あの人,大丈夫なのだろうか?
一人で家,帰れるのだろうか?

心配だ……










って,何で大の大人がわたしみたいな子供に,心配されちゃってる訳ですか!?

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

麗しくあれ カヨさん!×黄色いかんざしの少女

ここまで読んで下さった貴方
ありがとうございます!


イメージが崩れた方がいたら,すいません!!
ホント,謝ります


それでは,ルカ様がふつくしい本家様
http://www.nicovideo.jp/watch/sm9032932





今回は,最初の頃に真面目に書かせていただいた『円尾坂の仕立屋』の
(一応)ギャグバージョンです!

我らが悪ノP様です!!




最初は,『赤い着物の女→緑の帯の娘→黄色いかんざしの少女→男』の順番で
全部書く予定だったんですが,最初のめーちゃんで挫折

一番書きやすそうだったリンを書かせていただきました





『年端もいかぬ女の子に 黄色いかんざし買い与えて
 一体何をしようというの? 本当に見境がないのね』

っていう歌詞なので『あぁ,ロリコンねー』という感想が出ましたのでwww



ちょっと暴走気味のルカ様になりましたww

ですが,カヨさん!
こんな風にお喋り出来てたら誰も殺すことなかったんでしょーねーww




ご意見・感想いただけるととってもとっても喜びます
夜だと,更にテンションが上がり,近所迷惑な奇声を発するかと……

よろしくお願い致します

閲覧数:1,562

投稿日:2011/04/26 20:26:33

文字数:2,605文字

カテゴリ:小説

  • コメント1

  • 関連動画0

  • 紅華116@たまに活動。

    はじめまして、紅華116です!! コメントさせていただきますね♪

    カヨさんの暴走が面白かったですwww 独り言とマグロに対する愛で大笑いしましたww
    リンちゃんがか弱い一人の少女を演じているのも面白かったです^^
    旦那さんはいったい何をしてるのですかね!?あんな綺麗な奥さん(カヨさん)がいるのに…

    ブクマいただきます><

    2011/04/26 21:54:21

    • アリサ

      アリサ

      感想,ありがとうございます!
      ブクマまでして頂けるなんて,光栄です!


      大笑いしていただけましたかw
      良かったです

      自分のイメージでは
      旦那さんは,家でアイス食べながら子供向けアニメ(女の子が戦う感じのやつ)を見てそうですwwwww


      読んでくださったこと,感想そしてブクマ
      本当にありがとうございます!!

      2011/04/26 22:03:13

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