ルカから連絡が来たのは、それからちょうど一日ほどたったころだった。
 メールの字数制限一杯に書かれた、長文だった。いつもよりかっちりとした敬語に、決まりきった書類のように不自然なくらいに回りくどい言葉。なんだか、会議の書類を見ているようで、メイコは思わず目をそらしたくなってしまったほどだった。
 それでも携帯の画面とにらめっこをしながらメールを読んでいく。
 そして、文末に、「尚、このメールは返信不要、バンドメンバー全員に一斉送信しております」。
 メイコは小さくため息をついた。

「どういうこと、納得できない!」
 憤慨するリンを抑えながら、レンが言った。
「どうするのさ、これじゃあ、どうにも…」
「そんなこと、私に言われても困るわよ」
 皆が困っているのも無理の無いことだった。ルカからのメールの内容が、ないようだったのだから。
 父の会社の手伝いをしなければならないので、バンドを辞めます。
 要約すると、こういうことだった。バンドにとって、ドラムがいないというのは、致命傷――特に、ドラムに頼っている部分の多いリンたちにとって、ひどい痛手であった。
 何でも、今回無くなったルカのおじいさんが経営していた会社の権限が、すべてルカの父に譲渡されたが、どうにも父はそういう専門的なことに向いていないらしく、よく祖父を手伝っていたるかが、補佐をすることになったというのだ。
「やっとバンドもよくなってきたところじゃない!」
「そういっても、仕方が無いじゃないの」
 いらだちながら、メイコが言った。
 そんなことを言われたって、メイコだって困っているのだ、と言うことはリンもちゃんと分かっている。しかし、それでは納得などできない。小さな音が聞こえた。今まで一言も言葉を発しなかったミクが、そっと携帯電話を開いた音であった。カチ、と音が鳴って、ミクのかわいらしいシールの貼られた携帯電話が開いた。かちかち、といくらか操作をして、ミクは携帯電話を耳に当てた。
 誰かに連絡をしている…?
 誰かが出たらしい、ミクが少し動いて、姿勢を正した。誰かが電話に出ると、なんとなく、姿勢をよくしてしまいたくなるのだ。しばらく、ミクは困ったように苛立った声で何かを話していた。同じ部屋にいて、ほんのすうセンチ先にいるはずなのに、なぜか、言葉は聞き取れなかった。
 一連の話を終えると、ミクは携帯電話を閉じて、そっとリンたちに向き直った。
「私も、バンド、やめる」
 小さな声には違いなかったが、今度は、妙にはっきりとした口調で、いつもより堅苦しい感じで、リンは、聞き間違いではないのだ、と思った。
「どうして?」
「ドラムが無きゃ、バンドはできないし…」
 すごむように聞いたリンに驚きながら、珍しくミクは口ごもった。
「そんなこと無いよ! できるよ」
 無理にテンションを上げながらリンが言ったが、ミクはそれでも、と言うように首を横に振って続けた。
「それに、本格的に音楽の勉強したいの。海外留学の話もあって」


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日常 24

こんばんは、リオンです。
申し訳ありません、再開早々裏切り行為。
また睡魔に負けました。睡魔がストーブと言う武器を携えてやってくる。
ここからラストに向かいます。

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投稿日:2010/11/13 00:11:22

文字数:1,257文字

カテゴリ:小説

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