「時間旅行者みたいだ」って笑う
君の言葉がどれだけ満たしただろう
何も知らない今を知らない
流行も追えなくてついてけない
そんな人間を必要とはしない
そんな事わかりきってたのに
幾度勇気が砕け散ったのかな
欠片を集めるのにも飽きた
ヌルい空気に成り下がっては
避けるのだけが上手になった
誰も知らない昔々の流行歌
口ずさんでいたら驚く君の顔
お婆ちゃん以外知らなかったのを
なんで歌えるのかって迫る
妙に好きだった曲をひとつふたつ
その度に嬉しがる君が楽しくて
空気に少しだけ色が付いてしまった
「うちにタイムマシンは無いよ」って
私の言葉がどんなに閉ざしただろう
名も知らない君を知らない
話題も迷いこんで投げれない
こんな人間は必要としない
そんな風に生きてきたのに
何度言葉を躊躇ったのかな
自分を責めるのにも飽きた
熱い想いに冷水浴びせては
逃げるのだけが上手になった
誰も知らない君と私の待ち伏せ
並んだままいたら歌う君の声
お父さんのレコードを聞くように
なんか眠くなってきてしまう
やけに好きだったフレーズひとつふたつ
その度に声震わす君が愛しくて
想いに少しだけ色が付いてしまった
ふたりで歌う歌はいつもドキドキした
悪い事をしているわけじゃないのに
響く声が気持ちまで表していそうで
だからお互いに背中合わせで歌ってた
ピリオドは突然訪れて何もかも
最初からなかったように消え去った
元に戻ったいつも通りの色の無さ
遠く深いアルバムの底に沈めこんで
何度も春が訪れて冬が奪っていって
思い出を磨り減らすように生きていく
それでも微かに残った感触のまま
涙と共にこぼれ落ちていくあの歌
強い風が音も奪って花を落として
唇に貼り付いた花びらを剥がしたら
どこからか歌の続きが紡がれてる
散りたての花びらの中に佇んで
少し重たくなった君の声にのせて
涙で詰まる声をひとつまたひとつ
抱き合うことも手を繋ぐこともなく
向かい合って紡ぎ合ってそれだけ
「あの時の過去からやってきたんだ」
そうなんだ偶然だね私も一緒だよ
ねぇ次はどの曲を歌おうか
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