野球部のエース
彼のまわりは
いつも人いる
私は入れない
こっそりスマホで
撮ったら
米粒より小さい
そしたら古い
一眼デジカメ
おじいちゃんが
私にくれた
使い方を教わったら
取りあえずシャッター切る
ファインダーの中
彼が微笑む
ここは私と
彼だけの世界
カメラの中の世界だけは
私と彼だけの世界
まわりには誰もいない
ふたりだけの切り取った世界
視線が来ることはないけど
私だけは見つづける
写真が増えるそれでいい
彼の世界はとても遠いから
放課後練習
日曜の試合
マウンドに立つ
彼を見ている
もっと近くで大きく撮りたい
近づけはしないの
おじいちゃんに
相談すると
これを使えと
出してきたのは
望遠鏡のような長いレンズ
構えられるかなでも
大きく映る
彼の横顔
この世界では
彼に急接近
カーブシュートフォークスライダー
変幻自在に投げてる
バッターは彼のボールに
振り回されてかすりはしない
私は一択ストレート
ファインダー越しに投げてる
写真の中の笑顔に
振り回される今日もため息
縮まらない
彼との距離は
レンズ変えても
前と同じ
近づいたら
気づかれ終わる
もうカメラ
向けられないの
今はファインダーの世界しか
あなたには会えないけれど
これがいちばんの道
彼とつながる唯一の道
だめだめだめここから出たら
もう彼に会うことできない
ふたりの世界はこの
小さなカメラの中だけなの
校舎裏に理科準備室
彼の姿写真に撮る
いつか撮ってみたいな
まっすぐこっちみている瞳を
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6.
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出来立てオスカル
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