第三章
『歌えよ』

「カイトー」
名前を呼びながら自室のドアを開けるとPCから上半身だけを出しているカイトに遭遇した。
「もう、鍵閉めてなきゃお母さんが入ってきちゃうじゃない」
私はかぎを閉めながらカイトを怒る。
すると上半身を折り曲げて「ごめんなさいマスター・・・・・・・・」と謝った。
「もう、なんで何時も上半身だけ飛び出ているのよ」
私は肩を掴んで引っ張る。
ズルズルと言った感じで画面から出てくる。
それにしても私のPCはノートだから画面は小さいはずなのにどうして何処にも引っかからないのよ、毎日アイスを食べているくせに・・・・・・・・・・。
ズルッと最後に足が抜けてカイトはフゥっと溜息をついた。
「なんですかマスター?」
青い二つの瞳がこちらを見る。
「あ、もしかしてアイスですか!?」
キラッと目を輝かせるので「違うわよ」と怒る。
「なんで呼んだ=アイスの時間になるの。
そうじゃなくって」
座りなさいと言うと座布団の上に正座をした。
私も座るとカイトは嬉しそうに此方を見ている。
多分カイトに犬耳と尻尾が有ったらせわしなく振られているだろうなぁと思いながら私は口を開いた。
「質問、まずカイトはVOCALOIDよね?」
「はい!」
「歌えるよね?」
そう聞くと今まで元気だったカイトが一気に下を向いた。
どうしたの?と聞くと言いにくそうにしながらも口を開いた。
「あの・・・・・・。
マスターが調教してくれないまま放ったらかしだったから・・・・、あまり上手に歌えなくって・・・・・・・・・」
テヘへと笑ったので私も「あー・・・・」という。
確かにカイトをインストールしてから随分経ったけれど一緒にアイスを食べたりネットサーフィンしたりTV見て一緒に笑ったりとしていたので歌の事なんて考えていなかった。
「そう、だね」
「どうしたんですかマスター?」
「今日ネットしていたらカイトもそう言えばVOCALOIDだったなぁて思っちゃって・・・・・・・・・。
すっかり此処に馴染んじゃったから忘れてたの」
そう言うと「えー」と声がした。
「だってカイトがこの部屋に来てからもう一週間経ったけれど音楽のことなんて一回も言わなかったし」
するとカイトは少し考え出して「わかりました!」と立ち上がった。
「今から俺はちゃんと練習します!!
だからマスターは」
アイスを買ってきてください!!と超笑顔のカイトに私は「ちゃんとしなきゃ買ってあげない」と言って笑った。


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『歌えよ』

KAITO編第三章。
相変わらずこの二人は漫才です。

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閲覧数:239

投稿日:2009/12/30 14:42:22

文字数:1,036文字

カテゴリ:小説

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