雅彦の話が終わると、雅彦は部屋に戻った。一方ミクは、テーブルの椅子に座ったまま何か考えている。そんなミクにKAITOが近づいてくる。
「ミク、どうしたんだい?」
「色々と、考えていたんです」
「さっきの雅彦君の話かい?」
「はい」
「…さっきの話を聞いていると、きっと雅彦君は色々と一人で抱え込んでいる気がするんだ」
「私もそう思います。ですから、私が雅彦さんの家族として、恋人として、何かできないかを考えていた所です」
「考えはまとまったかい?」
「うん、KAITO兄さん」
そういって、ミクは立ち上がり、雅彦の部屋の扉をノックした。
「雅彦さん、入ります」
「どうぞ」
雅彦の返事があり、中に入るミク。ミクを自分の座っていた椅子に案内し、自分はベッドに座る雅彦。
「雅彦さん…」
「…僕はさ、確かに僕の手でパラダイムシフトを起こしたかもしれない。でも、僕には、もうパラダイムシフトを起こす前に戻すことはおろか、現状の変化を止める力すら無いんだよ。…もう、この変化は僕の手を離れてしまったから」
話しかけようとするミクの言葉をさえぎって寂しそうに話す雅彦。
「…雅彦さんはパラダイムシフトを起こしたことは後悔していますか?」
「…分からない。あの時、僕はミクと一緒になるためには、他に選択肢が考えつかなかった。そして、あの時、こんなことになるとは思ってもいなかったよ」
自分の思いを率直に話す雅彦。
「もし、あの時、世界が変わることがあらかじめ分かっていたら、アンドロイドの体を持つという決断をしていましたか?」
「ミクと一緒になれるけど、厳しい現実を目の当たりにするか、厳しい現実を避けられるけど、ミクと一緒になれない場合か…。分からないね。僕は、僕の取った選択には後悔…、していないのかな…」
悩む雅彦。
(…私には雅彦さんの心の中を読めない。だから、私は雅彦さんの本当の苦悩が分からない)
そんな雅彦を見て考えるミク。そもそも、アンドロイドとして生まれたミクと、生身の人間として生まれ、途中でアンドロイドになった雅彦では、根本的に立場や考え方が違う。そのため、雅彦にミクの考えが読めないのと同様、ミクも雅彦の考えが読めないのだ。それに、雅彦の苦悩は、雅彦自身の頭脳を持ってしても言葉にはできない、だからこそ理解することが難しいのだろう。
(…でも、理解できないからって、そこから逃げる訳にはいかないわ)
そう考え、意を決して椅子から立ち上がり、雅彦の所へ行くミク。そして、雅彦を優しく抱き締めた。ミクの行為に驚く雅彦。
「雅彦さん。私も雅彦さんの決断で背負った運命を一緒に背負います。そうすれば、きっと少しは楽になります」
決意をいうミク。
「駄目だ、ミクにそんなことをさせる訳にはいかないよ」
驚いたようにいう雅彦。
「雅彦さんがパラダイムシフトを起こしたのは、私のためですから…。私にも、雅彦さんが背負った運命を背負う義務があります」
ミクの目は、雅彦に真っすぐ向けられていた。
「あの時、雅彦さんは私に責任を取る必要は無いって話しました。ですけど、雅彦さん一人が背負うには、あまりにも重過ぎます」
「ミク…、ありがとう…。うっ…、ううっ…」
ミクの決意に感謝する雅彦。そして、張り詰めていたものが切れたのか、大粒の涙を流して泣き崩れる雅彦。そんな雅彦を強く抱き締め、あやすミクだった。
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