空を飛んでいた。

綺麗なツインテールと歌が自慢の彼女と、僕が。

と、言うか。

空を飛ぶ彼女に手を握られ、無理矢理引っ張られてたら飛んじゃった、と言う方が正確だな、これは。



高度は約500m。

よくわからないけどそんな感じ。

とりあえず、恐い。彼女が気まぐれやら悪戯で手を離したら間違いなく死ぬ。絶対、死ぬ。御臨終決定だねっ!!!

でもその手は離されない。これまたよくわからないけど、絶対に離されない気がする。もちろん、僕だって離す気は無いんだけども。



そのまま飛び続け、気がつけば下は森林だ。ジャングルだ。スゲー。

なんだか雲行きが怪しい。

それでも僕らは飛び続けている。



あ、雨。

でも僕らは濡れない。それは何故か?

なんかー、彼女のツインテールがー、謎の発光現象を起こしてるんですけどー。

でー、なんかー、バリアみたいの出てんですけどー。

で、ソレに包まれて濡れない。

そしてそれをさも当たり前のように静観する俺。

さすがっ!!!そこにシビレルアコガレルー。



その時、爆音が鳴り響いた。

雷だ。

森林の中でもひと際大きい木に落ちたみたい。

うおー、恐ぇー。当たったら火傷じゃすまないぞ、ありゃ。



と思ってたらそこに向かって進路変更する彼女。

あー、そーだよねー、そーゆー危険な所でも行っちゃうよねー、不思議なとことが売りだもんねー、君は。

アタイ、あんたのそういうとこ、嫌いじゃないんだZE!!!




雷鳴鳴り響き、大森林にできた小さなクレーター。

彼女と僕はそこに降り立った。

何故か集まってくる森の動物達。

取り囲まれる僕たち。

マズい。野生の動物は危険だ。いつ襲いかかってくるか分からないんだ、ってテレビで言ってたぞ!



しかし、その時、彼女は…。




歌った…。

う、歌いやがった…。

しかも「チューリップ」をっ!!!

さらに驚くべきは野生動物達の反応だ。

あぁ…サル達よ、なぜシンセを弾く。ベースを弾く。カウベルを鳴らす…。

そこのゴリラ…、ジミ○ンみたいな顔でギターを弾くなっ!いや、ギターは顔で弾くものだけどさ…。



ノリノリの彼女&森の仲間達。

完全に取り残される僕。

嗚呼、この感じ、幼稚園の頃に仲間はずれにされて鬼ごっこに入れてもらえなかった時のようだ…。




歌いきって満足げな彼女。

森の動物達からの賞賛の声は止まない。

グルッと一周し、お辞儀をしてニッコリスマイルの彼女。

…やっぱりかわいい。

そして彼女は飛び立っていく。

その歌声を望む、全ての人々のために…。







あれ?

俺は?

俺、一人じゃ飛べないよ?

そこにギターを弾いていたゴリラが言う。

「兄ちゃん、来な。ここでの暮らしも悪いもんじゃないぜ…」

うほっ、いいゴリラ…。

こうして僕は野生へと回帰していったのでした。

めでたしめでたし。










僕「という夢をみたんだが」

彼女「すごいねっ!いつか私もそんなとこで歌ってみたいなっ!いつか連れてってねっ!」




勘弁してくれ…。

今日も彼女は元気だ。

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
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僕と彼女のありふれた1日(その2)

自分のカバー曲と小説リンク第二弾です。

今回は「童謡「チューリップ」の変なの」とリンクしています。

http://piapro.jp/content/utf6a5o35stxzwwb

こういうのを書いているとですね、自分が一体何歳だったのか忘れますね。

うん、現実逃避って素晴らしい。

閲覧数:196

投稿日:2008/12/13 14:09:45

文字数:1,328文字

カテゴリ:小説

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  • 紫杏

    紫杏

    その他

    時給310円さん>
    「壊れっぷり」最高の褒め言葉です。ありがとうございますね。
    パソコンには…そうすね、「熱くなれよっ!!」って23時17分くらいに14回くらい叫び続けてあげるときっと、動いてくれませんね。
    動いたら、音楽聴いて「やっぱコイツ…壊れてやがる…」って思ってください。

    2008/12/18 15:11:39

  • 時給310円

    時給310円

    ご意見・ご感想

    壊れっぷりがステキすぎます。こういう話、すごい好きです。
    音楽の方もぜひ聞いてみたいですが、なぜか繋がりません。
    くそ、もっとがんばれ俺のパソコン。て言うか俺。
    パソコン音痴です。そのうちどうにかしたいです。

    2008/12/18 11:06:12

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