「これが、わたしのおともだち?」

「きょうから、わたしのおともだちになるんだね」

「やったぁ」

「へへ」

「もう、ひとりじゃないんだね」

「よろしくね」

「おともだちさん」




























姫は御立腹なのです

何故か分かりますか?

お馬鹿さんな召使には分からないでしょうね



これが、裏切りというものなのね

私がどれだけ大事にしてあげたか覚えてないのかしら?
ニンゲンの分際で私に近づこうなんて、どれだけ無礼なことか分かっているのかしら?

私は、貴方がニンゲンであることを承知で、傍にいることを赦したっていうのに……



もう、いいわ
飽きたの

貴方もイジワルも







ねぇ、分かってるのかしら?
私の手手中には、たくさんの玩具があるの

貴方ひとつぐらい、無くなったって何の問題もないのよ?
でもね
姫は心優しいの

まだ遊べる玩具は捨てたりなんかしないの



だから、これ以上私を怒らせないこと
お分かりかしら?





















生意気は云わない
可愛い子

逆らうなんてもっての他な
従順な子

お目目は綺麗な青色

頭は螺子が七つぐらい跳んでるみたい

どれだけ、机に頭をぶつけても傷一つ付かなくて

それにさえ、気付いてなくて

髪の毛はふわふわの黄色



私だけのお人形





















ほら、お手手が白いところも
お目目が青色なところも
髪の毛が黄色なところも

私と一緒だよ?
おそろいおそろい

あはは


ほぉら
一緒だ一緒





















どうして、貴方はそうなの!?
私は優秀なお姫様よ?
それなのに、色取りだけ同じ貴方はどうしてそんなにも召使なの?
どうして、お馬鹿さんなの?

姫は恥ずかしいわ














私はね
お姫様だから

どんなことでも、願えば叶うの

ふふ
素敵でしょう?



私が今欲しいのは、壊れないお人形

最近、國に出回っているのは壊れやすいものが多いわ
そんなのダメ
ダメダメよ

壊れるお人形なんて……

ゴミじゃない







いえ、ゴミ以下ね

お人形は愛でられる為に存在するのよ?
それが、壊れるだなんて

ははは

もう、笑っちゃうわね







壊れるお人形なんて


そんなもの


一つだけで良いのよ














さっきの話聞いてたの?


姫は御立腹なのですよ?
そんな態度で良いの?

貴方、もしかして自分の立場を分かっていないんじゃなくて?



私だって、我儘ぐらい言うわよ
お姫様なんだから

ほら
姫の願いは叶えてあげなきゃいけないでしょ?



むぅ
そんなこと云って良いのかしら?

知ってるのよ


此処から出る方法


ねぇ

聞いてた?
今の話


お馬鹿な召使の為にもう一回言うわよ?







私は、此処から出る方法を知ってるの
だから、私が不満と思えばすぐに逃げ出せるの


ふふ
貴方って面白いのね





















私が欲しいのはね
お人形

でもでも、ただのお人形じゃないわ
そんなのつまらないもの

姫はね
最先端のものが欲しいのです



生きたお人形



どんなのか知ってるかしら?

腕を引き千切ったら、わんわんって啼くの
足をぶらぁんってすると、にゃーにゃーって哂うの
頭を横のお友達と入れ替えると、ぐぅぐぅって回るの
中の綿を取り出したら、ちゅぅちゅぅって曲がるの

とっても愉快なお人形
そんなお人形が欲しいの!














でもね
姫はそんなに荒くなんかないわ
もっと、丁寧にお人形をよしよしするの

まずは、私の靴に口付けさせるの
それが済んだら、そのお人形は晴れて、私の奴隷よ

愉快なお友達の一人になれるの







私は毎日囁くわ


《あいしてる》って


【あい】って何なの?


皆、《あいに餓えてる》って言ってるから美味しいのものなのかしら?
それなら、一度食べてみたいわ
皆それを欲しがってるみたいなのよ
きっと、セカイでも一番の美味しさなのね





















ほらほら
私は、あいを食べたいの
今すぐに用意しなさい

私はそんなに、気が長くないんだから……
早くして頂戴







お洋服も着替えたいわ
毎日同じお洋服じゃ飽きちゃうの
もっと、ふわふわできらきらなお洋服が着たいわ

早く用意しなさい
何度も言わせないで


姫はいつでもご機嫌斜めなのよ?





















お城に閉じ込めておいて、それでいて召使は働かないの?
ちょっと、それはダメでしょう

姫は、大きな世界に出たいのです



でも、貴方がそれを望むのならば、私は貴方の通りに従うの
貴方は、私が此処に居ることを望んだ

だから、此処にいるのよ?



もう
早くしてよ




























ねぇ
貴方は大丈夫でしょう?
私の前から消えたりしないでしょう?

もう、独りは嫌なのよ

姫は孤独を知ってるの


ねぇ
お願い……





















『         』

?
何?

何を云っているの?

さっぱりだわ


聞こえる声で話しなさい
声が小さすぎるのよ







そんな馬鹿げた質問、耳には入らないわ





















ねぇ
国民たちは、どうして逃げて行ってしまったの?

私、何か悪いことしたかしら?
何もしてないわよね



ねぇ
何とか云いなさいよ














もう良いわよ

代わりなんてね、いくらでもあるわ
貴方みたいなのが一つなくなったところで、何の問題も無いの



とっても可愛い子
どんなことにも使える玩具

お目目は青くてね
セカイの全てを見ることが出来るの

ぐちゃーってしても壊れないの
とってもとっても頑丈なのよ

髪の毛は黄色
引っ張ると、子犬が出てくるの







そんな玩具がまだまだたくさんあるの


何よ
その目は

えぇ?
助けてくださいって?







……しょうがないわねぇ

これからも、きちんと姫の傍を離れないこと

分かったかしら?














とっても可愛くて、青いお目目で?
叩きつけても壊れなくて、黄色い髪だなんて……


まぁ!
私と同じじゃない


これは、偶然なのかしら?














でもね
同じお顔をしていても、一番偉いのは私よ

理由?

そんな馬鹿げたこと聞かないでくれるかしら?


馬鹿は   だけで十分よ





















姫は御立腹
姫はご機嫌斜め
姫は姫は……







セカイの全てが欲しいのです
ほらほら
早く用意しなさい


私が大事なんでしょう?
私が欲しいんでしょう?

だったら

ほら
早く







私だってね、いつでも機嫌が悪い訳じゃないの

貴方が頑張ってくれれば、私は愉しくなるのよ?





















なぁに?
また言って欲しいの?



《あいしてる》

《あいしてる》



《愛してる》







何?
それを証明しろって?


ちょっと……
姫に向かって命令する気なの?

まぁ、良いわ
今、私は機嫌が良いから、云うことを聞いてあげる







そうねぇ
籠之鳥でいればいいのかしら?


言っておくけど、鳥は鳥でもそこ等辺にいる鳥じゃないわよ?
地面に嘴をつけて、落ちた屑を貪り食っている

そんな下品な鳥な訳がないじゃない


とっても高貴で、神をも超越する……

そうねぇ、どんな鳥がいいのかしら?





















でも、一つ分かっておいてね

私は姫

姫は何だって出来るの

國の頂点に立つ者だものね

こんな、篭

いつだって壊せるの

そして、逃げ出すことなんてとっても簡単

ね?

いつだって逃げ出せるの

でも

それでも

此処に居てあげるわ

貴方の為に

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

篭之鳥 《×××とお人形》

予定していた題名『篭之鳥  ……何だろ 自己解釈の塊?…………』


この『……○○○○○…………』が自分のノーマルなのですが、
今回は特別にってことで……






全4ページ!

3ページ目が非常に読みづらいはず……
すいません……





2ページ目からで、良いのですが『言う』と『云う』の違いに注目して読んでいただけたらと……


こいつ!
何て生意気なことを!!

すいません
無視してやって下さい






それでは、色々とややこしいかもしれませんが、気が向いた方は前のバージョンにレッツゴーです

閲覧数:543

投稿日:2011/06/10 22:43:32

文字数:3,427文字

カテゴリ:小説

  • コメント2

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  • アリサ

    アリサ

    コメントのお返し

    あの……
    こんなこと、いうのもアレなんですが、書きたいもの結構あります……


    最近、色んな方の動画投稿多かったんですよ
    特に悪ノP様……

    新曲が2曲も!


    多分、最初は悪ノP様からいくかと……
    あと、出来そうだったら、
    マチゲさんの『スウィイトポイズンファクトリィ』とかも書いてみたいなぁ、とか思ってます……

    でも、白雪も良いんだよなぁ……





    ↑現在の心境はこんな感じですww

    2011/06/11 22:44:17

  • 零奈@受験生につき更新低下・・・

    うう、リクエスト主なのに先越されたー・・・
    というわけで零奈です。
    今回も読ませていただきました!
    アリサさんの病みっぷりにすっかり魅せられましたw
    『『人間になる事を夢見る人形』を夢見る少女』といい、『人間を夢見る人形』といい、アリサさんワールドは素晴らしいです!

    アリサさんの書きたい話というのがとても楽しみです!
    けど、またリクエストしたいです。
    最近『この曲をアリサさんに書いてもらったらどうなるのかな?』なんて思うようになりましたしw

    2011/06/11 22:06:20

    • アリサ

      アリサ

      感想ありがとうございます

      先越されたっていっても、ほんの20分ほどですよ!
      そんなに変わりありませんってww





      この歌、リンとレンの二つのパート
      更にいうと『リンの平仮名パート』と『リンの漢字パート』と『レンの平仮名パート』と『レンの漢字パート』の
      四つに分かれていたので、最初はそれぞれで1ページずつ書こうと思っていたんです

      でも、4つに分けると、一つあたりの量がかなり減ってしまったので、パート分けは2つにしました!


      まぁ、3ページ目からよく分からないもの始まりますがwwww





      勝手なわがままですいません
      書きたいものの整理が出来たら、再び再開致しますので!


      その時は再び、よろしくお願いしますm(_ _)m
      零奈さんは、リクエストして下さる率が高いので!





      な!
      そんなことを考えて頂いているだなんて、嬉しいです!
      ありがとうございます


      ……早く、自分の分書いちゃお…………

      2011/06/11 22:34:46

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