みんなは、ミクさんのカバンについた人形を見つめる。
「不思議ですね。実はボクのとこにも、そういうメールが届いたんですよ。地下鉄に乗ってたら」
「そう、それで、バスに乗り換えたワケね」
暦君のことばに、紙魚子さんがうなずく。
「ここ、わたしたちの方では、人形がしゃべって...。暦さんの方では、メールの文になったのかしら。そのメール、見せてください」
レイムさんが身を乗り出す。
「それが、その履歴が全然ないんですよ」
頭をかく、暦君。
「妙ね」
首をかしげるミクさん。
と、そこに彼女の着信が鳴った。
「はい。あ、リンちゃん?」
リンちゃんからの通話のようだ。
●よからぬ力を感じる...
ミクさんは、リンちゃんと話を始める。
暦君たちは、また話の続きを始めた。
レイムさんが言う
「どうも、よからぬ力を感じるわね。なんかありそうね」
彼はうなずいた。
「ボクも、何か不気味な、イヤな予感を感じたんですよ」
「それって、どういうこと?」
紙魚子さんが、メガネのふちをさわって、眉をひそめる。
レイムさんが言う。
「つまり、あいつが、イヤがらせでも、してるんじゃないか、ってことよ」
紙魚子さんと暦君は、同時に、聞き返した。
「ツクヨミが?」「ツクヨミが?」
“ハッピーアイスクリーム!” 暦君が叫ぶ。
「古いですね。あなた、いつの時代の人?」
紙魚子さんがあきれて言った。
「でも、イヤがらせ、って...。子どもじゃ、あるまいし。それに、そんな大がかりなこと、どうやって?」
けげんな顔で言う彼に、レイムさんは混ぜっ返す。
「子どもでしょ。ツクヨミさんは、少年よ」
その時、ミクさんが通話を切って、話に入ってきた。
●オソロシイ、力のある少年
「いま、リンちゃんが、お家からかけてきたのよ」
「リンちゃん、元気ですか?」
心配そうに聞く暦君に、彼女はうなずく。
「ええ。家でゆっくりしてるって。今日は学校は休むけど、明日からは出るって言ってたわ」
「そうですか、よかった。それで、サナギちゃんは?」
ミクさんは、顔をくもらせて答える。
「それが、やっぱり行方が分からないって。リンちゃんがいろいろ、友達に聞いてみたりしたそうだけど」
レイムさんが、腕を組んで言う。
「その子の行方も、わからない。 暦さんは、奇妙な目に遭う...」
紙魚子さんは、ミクさんたちに聞く。
「そもそも、なんでリンちゃんが、怖い目に遭ったんでしたっけ?」
ミクさんは答える。
「私がリンちゃんたちと一緒に作ってる、コラボ商品のドールがあるの」
「うん」
「それを最初は、月光企画といっしょに、プロモーションしていたんですけど、途中で私が、一緒に仕事することを、断ったのよ」
「じゃ、それで、逆恨みしてるの?その月光企画のツクヨミが」
紙魚子さんはメガネのふちをつまんで言う。
「やることが、ただの少年のようね~」
...電車の運行をつかさどっちゃうほど、オソロシイ、力のある少年?そんなのありかい?
暦君は、首をかしげた。
レイムさんは、首を振って答えた。
「ただの、いたずらじゃないのよ。きっと、あいつはね、誰かを呼び出そうとしてるのよ。イヤガラセをして」(・・*)。。
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ああ 何ひとつ変わらない世界
僕は稀代の鬱ロマンサー この力で呼び起こすのさ
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シト
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