真っ白な平原にスキーウェアを着たきょうだいたちが楽しげに遊んでいる。
「ミクさん、これぐらいで良いでしょうか?」
「わぁっルカちゃん早ーい」
ミクが褒めているのは、丸い雪玉をころころと転がして、ルカの腰ぐらいまで大きくなった雪玉のことだ。
最初の雪玉を作る時点でのんびりしていたミクはまだルカの半分ぐらいの大きさにしかできていない。
急いでころころと転がして、ルカの雪玉の三分の二ぐらいにまで大きくしたところで、よしっとミクは額の汗を拭く。
「せーのっ」
ミクの雪玉をルカの雪玉の上に乗せ、二段の雪だるまへと姿を変える。
「んーっと、雪だるまってバケツ被せてあげるんだよね?」
「そうですね……」
ミクの呟きにきょろきょろと辺りを見回して、リンの側にバケツが落ちているのを見つける。
「リンお姉様、お借りしてもよろしいでしょうか?」
「えーちょっと待ってーっ! レンっ一時休戦しよー! きゅーせんっ」
飛んできた雪玉に、こらレンっ休戦だってば! と再度文句を言いつつ手に持っていた雪玉をリンはぶん投げる。
「あ? なんだって?」
投げ返された雪玉を交わしつつ、レンも怒鳴り返す。
「だから、ミク姉とルカちゃんの雪だるま出来たんだって! だから休戦」
ほら、とリンがミクとルカを指さして、ようやく伝わったらしくレンが雪玉を投げようとしていた腕を下ろす。
「バケツだけでいいの?」
ルカが背伸びをしてバケツを乗せ、わぁとミクと二人して喜んでいたところにリンが口を挟む。
「顔つけるんなら、冷凍ミカンあるぞ?」
ほら、とお手玉のようにミカンを玩ぶレンにリンが、あ! と目をつり上げる。
「さっきなんか妙にオレンジ色だと思ったら……レン! それに雪つけて投げたでしょっ」
ていうか今日のおやつ!! とリンが文句を言うが、レンはどこ吹く風で、寧ろ言い返す。
「お前、石入れてたじゃねーかっそっちの方が危ねーしっ」
「た、たまたま混じっちゃっただけだもんっ」
当たんなかったんだからイイじゃない! とリンが唇を尖らせる。
ミクは「でも、危ないよぅ」と眉毛を下げつつ、ありがたくミカンを二つ貰う。
「んー……なんかもう一つ……」
首を傾げるミクとルカ。
「口がないからじゃない? はい冷凍バナナ」
「それオレのっ!!」
果たして凍ったバナナで釘が打てるのか、という実験をしたかったらしいレンがひっそり雪の中に埋めておいたモノだ。
「あ、ミクもネギ持ってきてる!」
「えぇと、手ですね」
「うんっ」
雪の中からミクはネギを掘り返して、ざくざくと雪だるまに突き立てる。
「後何かなぁ……」
「鼻も一応つけましたし……」
石を一つつけただけでも随分顔らしくなりましたが、とルカは首をひねる。
「足か?」
「いや、雪だるまに足はいらないっしょ」
ものたりないと首をひねる四人は、カマクラをつくっていたMEIKOとKAITOにも意見を聞こうと顔を向ける。
と、シャベル片手にざくざくと雪を積み上げていたKAITOに視線が集中する。
誰が行く? と目と目で会話をしあい、何となくミクに決まる。
「ね、ねぇお兄ちゃんっ」
「んー? どうしたのミクちゃん」
雪をすくう手を止めてKAITOはミクに笑いかける。
「その、マフラーなんだけど?」
「? あぁ、ミクちゃんがくれたマフラー暖かいよー?」
ありがとうねーと笑うKAITOに、そうじゃなくってと口ごもるミク。
首を傾げつつ、ミクの助けを求める視線の先を見て、なるほどとKAITOは納得する。
「雪だるま立派なのできたねー」
KAITOの助け船に、そうなの! とミクは大きく頷いてそれでねと言葉を足す。
「雪だるまにねっ、マフラー貸して欲しいの」
「いいよー」
どーぞ、と首に巻いていたマフラーをはずしてミクに手渡す。
「ごめんねっありがとう、お兄ちゃん」
「いえいえー」
受け取ったマフラーを高々と掲げて走っていくミクの背を見て、KAITOは心許なくなった首をすくめる。
「めーちゃんリュック取ってー」
「はいはい」
こんなコトもあるんじゃないかと思い、持って来ていた予備のマフラーをリュックから取り出して、首にしっかりと巻き付けるKAITO。
若い子は元気だなぁ、という風にKAITOは呟く。
それを受けて、MEIKOは若くない側に私も一緒に入れないでくれる? と若干呆れぎみに溜息を吐く。
「そーだ。お昼ご飯は、鍋にしようかなぁ……」
「そうね。ネギと、ミカンと、バナナがあるしね」
「それっ闇鍋すぎるよっ」
冗談を交わしているMEIKOとKAITOをミクたちが呼ぶ。
雪だるまを囲むように記念写真を撮れば、冬の楽しい思い出がまた一つ。
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