【UTAU】欲音ルコ大地に立つ!【妄想劇場】
大学進学を控えた、ある寒い日
私は出会った
眩しい光に包まれたステージの上で、ライトよりも眩しく輝く少女「初音ミク」と
ミクさんと一緒に歌いたい。一緒にステージに立ちたい
その思いだけで大学進学を辞め、家出同然で上京した
大学に進学した先輩の家に居候しながら、バイトとレッスンに打ち込む日々・・・
そしてその努力は実り、私はある芸能事務所と契約し芸能界入りした、のだが・・・
「ちょっとなんですか!これは!」
私の目の前にあるのは、芸能活動する上で必要となるプロフィールが書かれた”キャラクターシート”が置いてあるのだが・・・
”好きな食べ物 コーヒー納豆 ”、”決めゼリフ 白米より麦飯だろコノヤロー!! ”etcと有り得ない文字が羅列している。
「12歳ってサバ読み過ぎですよ!」
「あ~ら芸能界でサバ読みは基本よ~今に感謝するわよ?」
この人は社長の「文谷 葵」さん。私をオーディションで評価してくれて、この芸能プロダクションに誘ってくれた人なのだが・・・。
悪い人じゃないんだけど、ちょっと苦手。
「それに”性別 女1:男9”ってなんですか?」
「ああ、それフタナリ」
社長はまるで常識のように答える。
「フタナリって何ですか?」
「フタナリというのは女の子の股間に男の子のおにんn!」
「それ以上はらめぇぇぇ!ピアプロの中の人に怒られる!!!!」
はぁ~はぁ~ 正直心臓に悪い。
「ちなみにマニアックでコアな愛好家はフタナリストと呼ばれ、うぐっ」
~フルるっこるっこ中につき、早送り中~
「と、まぁウチのようなスキマ産業はキャッチーなネーミングとエッジな設定でお客さんに喜んでもらうわけよ」
よーく分かりました。社長が高度な腐女子ということが。なんですか?土下座攻めって?
「さてとウチの所属タレントを紹介するわ フォローミー!」
うう、なんかついていきたくない・・・
社長に連れられ事務所の休息室に入る。休息室では赤髪の少女が気だるそうな仕草でスポーツ新聞を読んでいた。
「まずはウチの稼ぎ頭!重音テトちゃん!」
うはww、かわいい。だめだめ!社長に感化されないされない。
「私、欲音ルコっていいます。これからよろしくねテトちゃ」
「ちなみにその子は見た目そんなだけど、31歳よ」
「よろしくお願いします、重音テトさん」
あぶない。あぶない。
ガチャ
ドアを入ってきたのは私と身長が同じくらいの男性だった。
「ああ、ちょうどいいわ、この子は新しく入ったルコちゃん。仲良くしてあげて。」
「重音テッドっていいます。よろしく。」
「テッドちゃんは一応タレントだけど、ウチの経理やスケジュールを担当しているの。テトちゃんのお兄さんなの。」
よく見てみるとテトちゃ、いやテトさんによく似ている。
「社長、今月のタレントのスケジュールなのですが・・・」
「う~ん、PV撮影が2件しかもダブルブッキング。少しスケジュールを練り直すわ。ルコちゃん、ここで待っててね。」
休息室に一人残された私。
気まずい。正直、重音テトさんと何を話していいのか・・・
(まさか好きな料理なんですか?とか聞くわけにいかないし)
じー。
(見てる。ものごっついテトさんが見てる。)
じー、じー。
(ああっ!ひょっとしてテトちゃんって言いかけたことを怒ってるのかも)
じー、じー、じー。
(ひぃ!沈黙がこんなにも恐ろしいなんて!謝ろう、土下座しよう頭で穴を掘るまで謝ろう)
「重音テトさん!すみま」
「合格!」
「へ?!」
思いがけないテトさんの言葉に私は返す言葉が見つからない。
「あのっ」
「だから合格。2度も言わせないで」
・・・とりあえずテトさんは怒っていないようだ。でも合格って?
「オーディション出の新人は、若いだけで素質が無い子が多いの。社長にあなたのデモテープを聞かせてもらったわ。女性では難しい男性声をあそこまで再現できる子はいないよ。元マネージャーのあたしが言うんだから間違いない。」
「重音テトさんはマネージャーをしてらっしゃったんですか。」
「テトでいいよ。ここの社長に声を掛けてもらうまで別のプロダクションでマネージャーをしていたの。驚いたでしょ?31歳って」
「いいえ!テトさんは若いです!」
「外見だけ。中身はおばさんよ。でも社長は違った。毎日毎日、私の所まできて”こんど立ち上げる事務所の看板女優に!”って。オフィスUTAなんて聞いたことなかったけど、その誠実さに折れた私は兄と一緒に事務所に来たの。最初は大変だったけどね。」
ガチャ
ドアから社長が顔だけ出して声を掛ける。
「ルコちゃ~ん。待たしてごめんね。ウチの亞北ネルと弱音ハクは今ドラマの撮影でいないの。今度の歓迎会で紹介してあげるから。とりあえず衣装合わせをするわよ。」
「はい今行きます。すみません、テトさん。」
「いいのよ、行ってきて。」
バタンッ!
「社長はいい人よ・・・・ただ”あの趣味”がなければね・・・」
オフィスUTA衣装室
「いい?契約書に書いてあるけど、ウチのタレントはオフの時以外は指定の衣装を着用することになってるの。そ・こ・で、ルコちゃんの衣装を用意してみました。」
ゴソゴソ
「あの~社長”コレ”はちょっと・・・」
「ちょっとぉ!ちゃっちゃっと着る!えぇい!まどろっこしい!オラが着せたる!」
「ちょwww!社長!どこ触ってるんですか!いやぁぁぁぁ!」
「なかなかのバスト!くびれ!やっぱり女の子ね!萌えてきたわぁぁぁぁ!」
「ひぃぃぃぃぃ!」
~しばらくお待ちください~
「うぅぅぅぅっ。もうお嫁に行けない・・・・」
「大丈夫よ!お婿さんに来て!と行ってくれるゆっりゆっりなお姉さまからのラブレターが毎日届くわよ。」
ううっ裸なんて、お母さん以外に見せたことないのに・・・
「だいたいなんなんですかこれ!パンツ丸見えじゃないですか!」
「パンツじゃないからはずかしくないよ!マイクロビキニだし」
「マイクロビキニもぱんつです!」
芸能界入りを目指した時、恥ずかしい仕事も覚悟したけど、パンツ丸出しでの仕事は・・・
「気に入らない?残念ねぇ。他のも来てみる?”どんな男でも服従したくなるボンテージドレス”、”老若男女絶対落ちる勝負服”縄””とかいろいろ用意してあるわ。さぁどれから着てみる?」
「これでいいです。着ます着させてくださいお願いします。」
「ホント~?見たかったなぁ~ルコちゃんの”縄”姿。」
・・・事務所を間違ったかも・・・
「冗談はさておき、早速仕事よ!テトちゃんとのデュエットのPV撮影があるわ!がんばってね!」
大学進学を控えた、ある寒い日
私は出会った
眩しい光に包まれたステージの上で、ライトよりも眩しく輝く少女「初音ミク」と
そして私はミクさんと同じ場所に立っている。
「よろしくお願いします!私新人ですががんばります!」
「緊張しなくてもいいわ。あなたは生まれたばかり。私がしっかりとサポートするわ。だから自分の声を信じて!」
「お願いしますテトさん!」
いつの日かミクさんと一緒に歌ために!
【UTAU】欲音ルコ大地に立つ!【妄想劇場】
年越しそばを食いながら思いついたネタでSSを書いてみました。
・・・アウアウ?
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愛してます
愛してる
側にいて
ここにいて
一人にしないで...消失
ヘタ猫
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