「…カイト…」

「めーちゃん!起きたの!?」

倒れたメイコをポッドに入れてから、すでに数時間が経っていた。
ミク達は来ないが、おそらくとっくに片付けは終わっていることだろう。

「うん…ありがと…」

「ねえ、めーちゃんは、たぶん…」

「うん…わかってるわ。 起動してくれないからでしょう?」

メイコは、すでに何かを悟った目になっていた。

「いいの… どんなソフトも、いつかは飽きられて捨てられるものでしょう? 私にはそれが早く来ただけ… なすすべはないしね?」

まるで、朽ちることを受け入れたかのような。

「よくないよ! 僕は納得いかない! 僕だって同じくらいに買ってもらったんだよ!? なのにこんなにピンピンしてるんだ! おかしいよ! めーちゃんはそう思わないの!?」

「それは…、私だって、思うわよ… 理不尽だって思うわ。 でもいいの…」

「だからよくないんだよッ!」

メイコの無気力な応答に、カイトは激昂した。

「なんであきらめるの!? めーちゃんはそんなすぐにやめるようなやる気のない奴だったの!?」

更に荒くなったカイトの言葉を聞いているうちに、メイコもだんだんイライラとしてきた。

「あんたはッ…」

「あんたは、往生際が悪すぎるのよ! いつまでもぐちぐちぐちぐちうっさいわ! …もう…向こう行って!」

「やだ。 行かない」

「なんでよ…! 悪いにもほどがあるわ! 私のことなんかスッパリ忘れてくれればいいのよ!!」

すると、カイトはとたんに怒りの表情が消えた。

「…」

失望した目で、じっとメイコを見つめている。

「…なによ、急にだまりこんで」

「…ねぇ、めーちゃん」

「…」

「めーちゃんは、僕の立場に立った時、僕やミク達のことスッパリ忘れられるの?」

「なッ、……――」

「めーちゃんにとって僕らはそれだけ? そんなに早く消せるほど小さい?」

「そんな事、」

「なら、なんで僕にそんな事言うの…? ひど、いよ…」

語尾は、すでに泣き声になっていた。
カイトはうつむき、子どものように嗚咽を始めた。

「なんで…?」

「…っ、そんな泣き声出さないでよ… もう…っ!!」

メイコの目からも涙があふれ、ついには二人で一緒に泣いていた。

なんで喧嘩になってしまうんだろう?
好きなのに。
ずっと一緒にいたからこそ、つい暴言を吐いてしまうんだ。
どうしてやさしくできないんだろう?

二人とも同じ気持ちを抱え、すれちがっていたままだった。
それも、今は違った。
泣くことで、どこかの箍がはずれたのか。
いつしか抱き合って涙を流していた。

       *

後日。

「あれ…? めーちゃん、なんでそんなに元気なの?」

「あ、えっとね… 本当に言いづらいんだけど、その… 悪酔いのあとの具合悪さって言うか… 二日酔いとかも…」

(一同)「はあああぁぁぁぁぁあ!?」

「何それ意味分かんない!あんなに心配したのに結局それ!?」
「優しくなんてしなきゃよかったのよ!ほおっておけばなおったんじゃない!」
「ざっけんな!酒隠してやる!」
「迷惑な方ですね!レン君に合わせて、今後一切のお酒を隠させていただきます!」

カイト以外の全員から多量のブーイングをくらった。
一方カイトはと言うと、

「お酒、やめよっか?」

一人だけ顔を赤くして、柔らかめにそう言った。

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

レンとぼかろ家の日常。 8 (カイメイ)

前までのカイトとメイコのラブフラグ半端なかったんで回収。

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閲覧数:418

投稿日:2011/05/23 18:35:40

文字数:1,418文字

カテゴリ:小説

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  • 瓶底眼鏡

    瓶底眼鏡

    ご意見・ご感想

    お邪魔です

    やっぱカイメイはいいですなぁ2828←
    マスター、メイコ姉さん呼んでやれよ……

    ……あれ?このお話レンが主人公じゃなかっt(ry

    2011/05/23 19:07:07

    • Majyu

      Majyu

      いやぁもっと長くするつもりが時間がなくて(汗)
      あと個人的にめーちゃんやりたかったw

      やっぱりカイメイはいいですよねぇ28282828←

      そういえばレンが主人公だったなぁ ここ3話くらいの間空気だったなぁ;

      2011/05/24 07:53:23

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