輸入商社「ハミングス」の会議室。
美里課長と、ルカさん、そしてテトさんが座っている。
目の前のテーブルに広げているのは、「ボイス・カフェ」と書かれたチラシだ。

「そう、テッドさんが行ってみたの?」
美里課長が、テトさんに聞く。
「はい、兄は、新らしモノ好きなもんで」
テトさんはうなずく。

テトさんたちの住む町の駅前に、先日オープンした、大きなショッピングセンター「らら」。
そこにカフェのチェーン店「ボイス・カフェ」が店を出した。
3人は、その店のチラシを見ていたのだ。


●駅前にチェーン・カフェができた

「で、なんて言ってたのかしら。テッドさんは」
「ええ、あんまり美味しい店じゃない、と。でも、こざっぱりして綺麗ではあったそうです」
美里課長の問いに、テトさんが答える。

「そうね。安売り量販店の“らら”がやってるカフェだから、こだわりの味ではないですよね」
ルカさんが言う。
「でも、駅前でお客の入りはいいかも」
テトさんが言う。
「うちのカフェ・つんでれにも、ひびかないといいなあ。課長のとこも、ドナドナ号やってるし、気になりますよね」
「そうなの」
美里課長はうなずいた。

「気になるわね。さて、テトさん、新商品の企画の話をしましょう」
3人はチラシを片づけて、仕事の話に入った。


●コスプレの目覚め?

その日の夜。
テトさんは、兄のテッドさんの事務所、「重音舎」にいた。

「安売り雑貨にくわえて、カフェも出してきたか」
テッドさんは、テトさんの淹れたお茶を飲みながら言った。
「でも、あんまり美味しくなかったんでしょ」
テトさんは言う。
「うん。味はね。でもまぁ、お客はグルメばかりとは限らないしね」
テッドさんは、彼女の持ってきたチラシを見て言う。

「カフェのオーナーとしては、考えちゃうよね」
テトさんは腕組みをした。
「なにかカフェにも、個性を出そう。安売りカフェに対抗しよう!」

「“ボイス・カフェ”の店長、正統的な美人タイプだったよ。名札に“房よみ子”って書いてあった」
「そういうとこのチェックは欠かさないんだな、おぬし」
テトさんはテッドさんをにらむ。

「じゃ、うちはユニーク戦術で行こう」
テッドさんが笑って言う。
「仮装カフェなんてどう?みんなで悪魔の羽付けたり、ハットかぶって」


「ハロウィンか、うちは」
テトさんは苦笑いした。
「でも、悪魔のコスプレ、ちょっとひかれるかな...ん?」((o(б_б;)o))

ライセンス

  • 非営利目的に限ります

玩具屋カイくんの販売日誌 (67) え?コスプレ・カフェ?

ボクはコーヒーとか、ちょっとは気にします。よく超うすいコーヒー出すチェーンとかあって、あれは困りますよね(笑)

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投稿日:2010/07/17 13:54:14

文字数:1,038文字

カテゴリ:小説

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