江戸、八丁堀の屋敷にて
「はぁ~……」
俺-海斗は机に突っ伏して、深い深い溜め息をついた。溜め息の原因は、昨夜の事件。同心の部下-つまり俺の部下だが-である屈強な男達が数十人もいたというのに、まんまと奴に逃げられてしまったからだ。
「咲音の冥……全く、これで何度目だ……」
俺は、机の隅にほったらかしになっている今朝の瓦板を、忌ま忌ましげに見た。



号外『咲音ノ冥、またまた現る』



そうでかでかと見出しが躍っている記事を見ると、ますます気が滅入ってきた。見なきゃ良かったと後悔しつつ、俺は瓦板から目を逸らす。
全く……これじゃあ奉町奉行所役人の無能さを江戸中に宣伝しているようなものじゃないか……
俺はまた盛大な溜め息を一つすると、のろのろと立ち上がった。
……いつまでも嘆いていてもしょうがない。退屈だし、街中を散歩して、この暗鬱とした気分を紛らわせる事にしよう……





江戸、とある長家にて



号外『咲音ノ冥、またまた現る』



私は、今朝の瓦板を見て、満足げに微笑んだ。昨夜の仕事が大成功だった。おかげで、私は旨い酒を満足のいくまで楽しむ事が出来た。盗みに入った鏡音家は悪い噂が絶えないので、無論罪悪感などさらさら無い。
「くっくっく、次はどこを狙おうかねぇ……」
私は手にしていた一升瓶をくいと傾け、椀になみなみと酒を注ぎ足す。
「次の仕事の成功を祈って、かんぱ~い!」
そして私がもう一杯呑もうと椀に口をつけた時、不意に誰かがやってくる気配がした。
ハッ……マズイ! この酒を見られたら非常にマズイ! どうする……どうする私!?




江戸、中心部



「……暇だなぁ」
屋敷を出た俺は、街をぶらつきながら、ぽつりと呟いた。一刻ほど街を見て回っていたのだが、毎日同じような風景を見ていたんじゃ、流石に飽きがくる。何か退屈しのぎになりそうな事はないかと思案していると、人々の喧騒の中、遠くの長家街の方から、鰯を売る声が聞こえてきた。
「…………あ、そうだ!」
それを聞いた俺は、あの辺りに住んでいるある人の事を思い出し、どうせなら挨拶でもしていこうと、長家街の方に足を進めていった。



長家街



「うーん、この辺だと思ったんだけどなぁ……」
目的の長家街についた俺は、キョロキョロと辺りを見回して、困ったように言った。まぁ、実際困っていたのだが。
「彼女の家、忘れちゃった……というか、ここどこだ?」
……早い話、俺は迷っていた。人に場所を訊こうにも、訊く人が見つからないのだからどうしようもない。にっちもさっちもいかずに俺が途方に暮れていると、どこからか「かんぱ~い!」という陽気そうな声があがった。俺はそれを聞いた刹那、確信する。
……間違いない!真っ昼間から乾杯なんてするのは……彼女、めーちゃんしかいない!!

「あ、ここだ」
声のした方に向かって歩いていき、俺はようやく目的の家にたどり着くことが出来たのだった。
「めーちゃんいる~?」
俺は戸口に立ち、とりあえず呼んでみた。流石に女性の家に無断で入り込むような礼儀知らずな真似はしない。
「は、は~い!(ガタッ、ガシャン!!)だああっ!?」
「め、めーちゃん!?(今何かが割れるような凄い音がしたような……)」
……その後、しばらくして出て来たのは、泣いてるのか笑っているのか、何とも形容しがたい顔のめーちゃんだった。

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ぼうかろいど捕物帳―第壱話―

KAITOいい名前思いつかなかった…orz
しかも文才の無さは相変わらず……

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閲覧数:199

投稿日:2009/01/25 22:27:09

文字数:1,433文字

カテゴリ:小説

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    どうも、感想ありがとです!
    いやー、そう言ってもらえると嬉しいですねぇ~
    第弐話も読んでもらえるとありがたいです。

    2009/01/26 19:10:45

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