約束の場所で立ち止まって 15
約束の時間に奏でようか 15
君が好きだったこの音楽を 15
この音が君に届くようにね 15
夕日が街を赤く染めて 13
夜を誘おうとしていた 13
空を見上げればもう暗く 13
風も冷たくなっていたよ 13
ふと視線を逸らすと窓辺に 14
今にもなくなってしまいそう 14
そんな君に心を奪われ 14
冷たさも忘れて見惚れてた 14
月の色をしたその髪が 13
僕の心を奪っていた 13
君の笑顔がただ見たくて 13
胸のオカリナをそっと取る 13
約束の場所で立ち止まって 15
約束の曲を奏でようか 15
君が笑顔になってくれる時 15
僕の心は満ち足りるからね 15
その屋敷は不吉な場所 13
みんなは口々にいうけど 13
それはただの思い込みだよ 13
其処には天使がいるんだよ 13
毎晩仕事を終わらせたら 14
僕は真っ先に其処へ走る 14
大好きな天使が見下ろす場 14
其処だけが僕の居場所だよ 14
今宵もオカリナを奏でて 13
君の笑顔だけを願うよ 13
君はただ見つめているだけ 13
窓辺からけして動かない 13
約束の場所でこの曲を 15
君の為だけに奏でるからね 15
手を伸ばしても届かないならば 15
この音色だけでも届かせるよ 15
ある日街の人の噂で 13
聞いたのは死者のお話 13
一度も笑わなかった子が 13
笑って逝ったという話 13
何時ものように仕事を終えて 14
何時ものようにその屋敷へと 14
オカリナを大事に胸に抱き 14
見上げると天使は消えていた 14
「名も知らぬあの音色が好き」 13
彼女の間際の言葉さ 13
告げられ渡された金貨を 13
悔しくて僕は投げ捨てた 13
約束の場所で立ち止まって 15
奏でた曲は涙の音色 15
君の笑顔は見れなかったけど 15
不思議と心は満ち足りていた 15
約束の場所で立ち止まって 15
約束の時間に奏でようか 15
君が好きだったこの音楽を 15
この音が君に届くようにね 15
『この音色はずっと忘れない…君と僕を繋ぐ…たった一つの…』
月音―伸ばした音―
にゃっぽんの方でこっそりとリク品として提出したものを
少しアレンジ…というか、かなり手直しをしたものです
―解釈のようなもの―
屋敷に住むといわれる娘
何時も笑わない事から気味が悪いと言われていた
笛吹きの少年はそんな彼女に心を奪われ
『何時か笑って欲しい』という願いを込めて笛を吹く
例え無駄と言われようとも
例えとりつかれていると言われようとも
少年には彼女が天使に見えたのだから…
されど、彼女の余命は幾許か
病弱さ故に心を閉ざした少女
そんな事情を知らず、何時も音色を届けてくれる少年に
少女も応えるかのように窓辺に佇む
ある日、別れは突然と訪れた
貴族の娘が亡くなったらしい
一度も笑わなかった娘が間際に一度だけ笑んだという
少年はそれを窓辺の娘だと思わずに
何時ものように屋敷へと駆け出した
しかし窓辺にいるはずの娘はもういない
従者が出てきて亡くなった事を告げると
謝礼金を彼に手渡す
『こんなの…違う…!そんなつもりじゃなかった!』
少年は哀しみと悔しさからその金貨を投げ捨て
沈んだ心のまま仕事へと向かう
それでも忘れられない少年は
追悼の意を込めて毎晩、彼女と同じ色した月が昇る頃
まるで約束したかのようにその場へと現れ
……またその曲を奏でるのだった
長いですけどこんな感じです…orz
むしゃくしゃしてやったにしてもどうしてこうハッピーエンドがないんだかorz
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