いつか。
誰かが私に言った。

歌を歌うことしかできないの? それって辛くない?

って。

私はボーカロイドだから。

歌を歌うことは好きだけど。
歌以外に何も出来ないわけじゃない――と思う。

でも、実際に歌を歌う以外に、何かやったことはあるのだろうか?
与えられた譜面を忠実に読み、そしてそれを歌に乗せる。
私はそれを、嫌なことだなんて思ったことはない。
寧ろ満足しているし、これが与えられた使命ならば、喜んで全うしていた。

歌を歌うことは私の誇り。
それを、卑下されたような気分になった。

違う。
私はちゃんとこうして喋っているし、何もできないわけじゃない。

知っているでしょ。

歌は私の使命。そして希望。
嫌々ながらやってるわけじゃないの。

嬉しいし、楽しいし――。
凄く満たされた気分になる。

だから。
これからも、私にたくさんの歌を歌わせてください。

お互いに満足できる。そんな歌を。

私も楽しい。
相手も楽しい。

自分の好きなことが、相手と繋がるって、とても素敵なことじゃない?

歌を歌う以外に出来ること。
歌を愛すること。歌をくれた皆様を愛すること。歌を聴いてくれる皆様を愛すること。

ライセンス

  • 非営利目的に限ります

その声を歌に乗せて。

前にミクミクを知った友人が言っていた事が元ネタです。
ミクミクはきっと、歌を歌うことを放棄することはないと思います。
それが好きだから。
ボーカロイドだから感情なんてないんじゃない? なんて思わないで。

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投稿日:2008/12/14 00:51:19

文字数:511文字

カテゴリ:小説

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