本日2つ目ですが、長々とお付き合いください。
※注意
・カイメイ要素があります。苦手な方はご覧にならないほうがよろしいと思います。
・時代設定が、若干ズボラです。
・あくまで、私の想像です。イメージが違うところはスルーしてください。
・KAITO→海斗、MEIKO→芽衣子、となっています。
・第三者視点です。

以上のことが、OK!という方だけお読みください。




「ねぇ、海斗──」

町に行く途中の道で、芽衣子が、海斗に、なんとなく、と言う感じで聞いた。

「なぁに?めーちゃん」

「さっきさ、どうやって紅葉を私の周りに散らばせられたのよ?」

「どうって‥紅葉集めて‥木に登って、こう、ばぁっと散らして‥‥」

と、海斗が、身振り手振りで説明し始めたもんだから、芽衣子は、はぁっとため息をついてから、

「やり方じゃなくて!紅葉は葉っぱだから、すぐ風に流されちゃうでしょ?この時期は、不安定な木枯らしばっかり吹いてるから、私の周りに落ちるとは限らないじゃないのよ?」

その言葉に、海斗は、ちょっとの間考えてから、ぽんっと手を打って、

「あぁ、そういうことか!」

「他にどういうことだと思ってんのよ?私もそんなにバカじゃないわ」

あきれ気味にそういう芽衣子。

「ごめん、ごめん。あのね、凩(木枯らし)の吹いてる方向を確かめたの」

「方向を確かめたって‥‥どうやってよ?」

「正面を向いて、目を閉じて、自然に溶け込んで、それから、風の吹いてる方向を感じ取るんだっ!」

得意そうに、13とは思えない、無邪気な微笑みを浮かべている海斗に対して、芽衣子の頭の中は、?マークで一杯だった。

──自然に溶け込んで、風を感じ取るって‥どこぞの奇術師の成せる技??てか、海斗ってそんなに芸達者だった?でも、現に、さっき、それで風の方向合ってたし‥‥。

「めーちゃんはできないの‥‥?」

「‥そんな妙なことできるのって海斗ぐらいよ‥‥」

「ふ~ん、そうなんだ?僕、6つぐらいからできたから、みんなできるんだと思ってた」

はぁとあきれ気味にため息をついて、

「あ、あのねぇ、海斗、あんたは奇術師か!そんな妙な技できるなんて‥あんたは、一体何者よ?」

と言うと、海斗は、きょとんとした表情で、

「ん?人間だけど?」

真顔で言ったもんだから、芽衣子は、思わずずっこけそうになる。しかも、本人が自覚していないから、困ったもんだ。

「‥‥‥?めーちゃん?」

「‥‥もういいわよ、分かったから;;」

──昨日と一昨日の、しっかりしていて、落ち着いている海斗はどこに行ったの‥?

芽衣子がそう思うのも、無理も無い。

実は、海斗は、いざというときは、精神的に安定していて、頼りがいのある、落ち着いた少年なのだが、普段はと言えば‥‥。

「めーちゃん、見て見て!」

そう言って、2枚の大きな葉に穴を開け、そこから片目ずつ覗かせる海斗。

ため息をつきたくなるほど無邪気な上、天然だ。どうしたものか、というのもうなずける。

「ねぇ、めーちゃん、街が見えたよ!」

海斗が、そう言って指差した先には、大きな、商人の町が広がっていた。

「うわぁっ!!」

無邪気に感動する海斗を見て、彼女は、

「ま、素直な方が、まだかわいいっか‥‥」

と、静かにつぶやいた。

「ん?めーちゃん、何か言った?」

海斗がことり、と首をかしげる。その幼げな仕草に、芽衣子は、くすっと笑って、

「なんでもなぁい!」

「えー!めーちゃんだけずるいじゃないか!僕は、聞かれたこと全部教えてないのに~!」

「あー、あー、聞こえませーん!」

「からかわないでよ!めーちゃんのバカァ!」

と、いきなりぐずり出した海斗に、芽衣子は、びくっとして、

「ちょっ‥‥!14にもなる男がすぐに泣くんじゃない!はいはい、ごめんなさいね;;」

「うぅっ、めーちゃぁんっ‥‥」

──このへたれっぷり‥どうにかならないかしら‥‥^^;

まだまだ海斗に対する、芽衣子の、弟扱いは終わりそうにも無いようだ。



ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

番凩・7

なんか、芽衣子→姉、海斗→へたれ弟、みたいになってしまいました^^;
付かず離れず、という感じでしょうね;;

さて、明日から3日間、旅行で留守にします。
なので、その日は更新できませんので、ご了承ください><;

閲覧数:309

投稿日:2010/05/30 12:22:08

文字数:1,702文字

カテゴリ:小説

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  • enarin

    enarin

    ご意見・ご感想

    今晩は!、続きの第6,7話、早速拝読させて頂きました!

    火事の時は、海斗君の冷静さに驚きましたが、その後は、芽衣子さんは年齢通りの落ち着き、海斗君も同じく年齢通りの無邪気さ、に戻って行きましたね。

    とにかく芽衣子さんが落ち着いて、ほっとしてます。そして、海斗達家族+先生+芽衣子さんのパーティ(?)での旅が始まりますね。

    次も楽しみにしております!。

    P.S.旅行にお出かけになるようですね。道中、お気を付けて、行ってらっしゃいませ!。そう言えば、土、日、月、と3連休でしたね。

    2010/03/19 16:50:32

    • 愛夢☆ソライト

      愛夢☆ソライト

      >ご拝読ありがとうございます!

      5話目まで書いた後、読み返してみて、海斗が年齢の割には冷静過ぎることが発覚!いや、発覚って言うまでのことじゃないんですけどね^^;
      そこで、海斗を、緊急事態には強いけど普段は無邪気、芽衣子を、普段は落ち着いているけど緊急事態に弱い、という感じにしてみました。

      次からは、キヨテルさんも合流して、ちょっと一騒動あります!
      たぶん‥‥出てくるキャラが増えます;;騒動の当事者となりますが、?番凩?とは全く関係ないです^^;
      誰を出すかは考察中ですので、どうぞ気長にお付き合いください^^

      P.S.落ち着いたら、プロフィールにて報告致します。

      2010/03/19 17:03:28

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