“三日月の夜が明けるまでに 境界の壁の下で待っててね”
交わしたその約束が果たされないことなどとうに知っていた
本当の君はこの世界で 痛みだけに触れて泣いている
革命が朝を塗り替える、不満を“力”に押し付けて
掲げた旗印も
世情に簡単に左右される
“悪”を弑(しい)したイチイの槍を 人は忌み嫌った
救われてみたとして
そのあとの空虚をどうすればいい?
戸惑う僕に 君は笑って
傷だらけの手を それでも差し出した
泣いていいよ
代わりに闘うから
ただはるか後ろでいい、見ていてほしい
一人ぼっちなのは、僕だって寂しいから
ジョークも言えずに
嘘も下手な 強がり
僕が持つのは、この冷え切った牙だけだ
君の太陽にも傘にもなれない、だから
せめてその雨雲を撃ち殺してみせよう
“逃げても何も変わりゃしない 犬は野垂れ死にがふさわしい”
あの日の僕は本当は怖がりで君の手を振り払った
声も出せぬこの首に 絡みつく鈍色の鑑札(ドッグタグ)
弱気な自分が残した過去からの解けぬ因縁
生存価値でさえも
何かに簡単に左右される
“正義”を讃えた手が次は 処刑の刃を握る
何も変わっちゃいない、
繋がれた鎖が変わっただけ
それでも誰かを 守れるなら意味が
果たされぬ約束 今償いに来た
笑っていいよ
代わりに傷つくから
この僕を見て愚かだと、笑ってほしい
何も知らぬ無邪気な素顔を見せてほしい
エゴイズムだよ、
単なる自己満足
結局は僕も、失うのが怖いだけ
君の笑顔がいつまでも見たいだけ、だから
いつかの君のように嘘が上手くなる
一人ではきっと 憎むことしか知らない
胸の中だけでも笑えたのは、きっと君がいたから
聞こえてるか?
この止まない歌
嘘と銃撃が絶えない世の中で
鳴り響く心臓の音だけが真実
やっと見つけたよ
呪いを解く術を
最初から全部、消えてなどなかったんだ
傷も首輪ももう気にしない、だから
最後は笑って、“さあ、行くがいい”
君はこの先の世界のことを もう二度と思い知ることはない
星の消えた夜には 今 僕が 僕だけがいる
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