ナゾナゾ遊び　約１０分
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※[]は声だけと言う意味です。
※基本名前の改変ありです。
※小さな一つの部屋で起きている設定です（下手にドア、上手後ろにテーブル、棚は必要不可欠）。
※『ナゾカケ』、『ナゾトキ』の作者であるひなた春花Pの許可は取った上で上演を行ってください。
※『ナゾカケ』、『ナゾトキ』の曲は用意不可能な場合は別の曲でもぉｋ…？です。
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～story～
時は昭和。
とある屋敷を中心に、残虐な事件が次々と起こっていた…――――。


「さあ、犯人は、だあれ？」

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～cast～
歌鈴（カリン）・リン…ヒロイン。
黎音（レノン）・レン…探偵。
朱鷺（トキ）・カイト…遺産目当て。
里紀（リコ）・メイコ…リンの母。
瑠奈（ルナ）・ルカ…リンの姉１。要するに長女。
美蘭（ミラン）・ミク…リンの姉２。要するに次女。
新米刑事…客。
声（ガヤ）
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レン、中央に立つ
右手なし
スポット


「時は昭和。とある屋敷の住人を中心に残虐な事件が起こった。起こった事件は二回。殺った犯人は同一人物かわかっていない。…そもそも事件かどうかもわからない」


レン、上手に移動
赤ホリ


「一回目の事件は『孤独な男の毒殺事件』。遺書から警察は自殺と判断した。はたしてそれは本当に自殺なのか？」


レン、下手に移動
青ホリ


「…二回目の事件は『一家海中落下事件』。屋敷に住んでいた裕福な一家の乗ったジープは崖を曲がり切れず落下。警察は事故と判断した。果たしてそれは本当に事故なのか？」


レン、中央に戻る
スポット


「君はこれらの事件の真相を知るもの、そして新米の刑事として、事件の謎を解いてもらおう。君には謎の答えがわかるかな？さあ、Let's riddles!!」


レン、はける
暗転
BGMナゾトキ
照明が点く
上手に朱鷺
テーブルに肘をつきながら足を組む
レン、下手から登場
右手あり


朱鷺「…黎音か」
レン「話ってなんだ？」


リン、ドアから覗いている


朱鷺「あの話だ」
レン「…本当に実行する気なのか」
朱鷺「あぁ。既にTrickの準備は整った」
レン「…そうか。じゃあ前祝いにワインでも飲むか」
朱鷺「そうだな。…きっと成功するさ。そうしたらあの一家の遺産は従兄弟である俺たちのものだ！ははは、ははははは！」
レン「山分けだよな？」
朱鷺「当たり前だろう？ただ事件とばれたら唯一の親族の俺達が疑われる可能性が高い。覚悟しとけよ」
レン「わかってる」
朱鷺「じゃ、乾杯」
レン「乾杯」


朱鷺、マイムでワイン飲む
ワインの割れる音
倒れる
レン、朱鷺を見下ろす


朱鷺「黎音、お前…？」
レン「すまない朱鷺。僕は友達に罪を犯させたくない。犯罪を犯してまで手に入れた金なんか、必要ない。それでも罪を犯すと言うのなら、その前に僕が殺してやる」
朱鷺「毒…か」
レン「あぁそうだ。まあ僕が殺さなくたって君は殺されてただろうけどね」


レン、リンの方を向く
リン、ナイフを落として逃げる。


朱鷺「裏切…り、もの…」


朱鷺、死ぬ


レン「お前に歌鈴を殺させはしない」


レン、落としたナイフを拾い下手にはける
暗転
BGMナゾトキ
照明点く
里紀と瑠奈がリンを囲む


リン「いや！」
里紀「でも歌鈴、今日は瑠奈のお友達の誕生日よ？」
瑠奈「歌鈴に会いたいって言ってるのよ！」
リン「いやよ！私絶対いかないわ！」


美蘭下手から登場


美蘭「瑠奈姉様。無理に連れて行くことはないと思うわ。歌鈴が可哀想よ」
瑠奈「でもね、美蘭。連れてくるって約束しちゃったのよ～！」
リン「人に了承も得ずに約束しないで貰いたいわ」
美蘭「素直に謝った方がいいわよ」
瑠奈「…ええ。ごめんなさい歌鈴。だから一緒に来てぇぇぇえ！」
リン「無理」
瑠奈「即答！？」
美蘭「私は相手に謝れ、の意で言ったんだけど…」
瑠奈「でもぉ～…」
里紀「意地が悪いわよ、瑠奈。勝手に約束したんだから自業自得でしょう」


里紀、宥めるように瑠奈のもとへ


里紀「諦めなさいな。さ、行くわよ」
瑠奈「は～い…」


里紀、瑠奈を引っ張りながら下手にはける
美蘭も一緒にはける


リン「…嫌な予感がするのよ」


暗転


男[ぶ、ブレーキが利かない！]
里紀[崖よ！]
瑠奈[危ない！]
美蘭[落ちる!!]
男[うわあああぁぁぁああああ!!!!]
女３[きゃあああぁぁぁああああ!!!!]


リン中央でスポット
レン端に立っている


リン「はあ、はあ、はあ…っ！父様！母様！姉様!!…私が、私が殺したんだわ！ちゃんと言わなかったから…!!!」


リン、座り込み項垂れる
レン、踵を返すように下手にはける


暗転


レン[間に合わなかったか…。ごめん、歌鈴…！]


照明点く
レン中央
右手なし


レン「これが事件の流れだ。彼女は事件の全てを見ていた。そのうえで僕をここに呼び出したのさ」


レン、手紙をとりだす
茶封筒には丁寧な字で「黎音へ」と記されている


レン「おっと…。やっぱり片腕は動きづらいな…。ん？僕の右腕？…屋敷に隣接してる母屋が焼けたことがあってね、逃げ遅れた…否、焼身自殺しようとした彼女を助けた際になくしたんだ」


レン下手にはける
暗転
BGMナゾトキ
赤ホリ


声[おい！火事だ！]
声[近くの屋敷みたいだぞ！]
声[屋敷の母屋らしい！]
声[誰か！救急と消防！]


走るような足音


レン[歌鈴！歌鈴！どこだ！？]


足音


レン[…歌鈴！おい！大丈夫か！？]


崩れるような音


レン[うわ、木材が…！とにかく早く逃げよう！…う、うわあああああぁぁぁぁあああああああああ！]


照明点く
包帯を巻かれてどこか痛々しいリンが椅子に座って読書している
不意に片手のピアノが聞こえてくる。
しばらく弾き続けて急に鍵盤を叩くような音


レン[くそ…、くそぉ…っ！]
リン「…ごめん。ごめん、黎音…っ」


リン、泣き始める
暗転
BGMナゾカケ
照明点く
右手なしのレンが椅子に座っている
朱鷺を殺したときのグラスが一つ転がっている
リン、下手から登場


レン「やあ、遅かったじゃないか。自分から呼び出しておいて遅刻はないだろう？」
リン「貴方はいったいいつから待っていたの？私は時間を指定したりしてないわ」
レン「とんでもない言い草だね。時間を指定するのは当たり前だろう」
リン「五月蝿いわね。…私の家族を奪ったやつに言われたくないわ」
レン「そうだね」
リン「じゃあ、」
レン「さあ、犯人はだあれ？」
リン「……」
レン「あれ？黙っちゃうの？犯人は僕、だよ？まさかわからない筈がないよね。事件はすべて、君の目の前で起こったのに」
リン「何故、朱鷺を殺したの？」
レン「何故？どうせ僕が殺さなくとも、君が殺していただろう？」


リン、レンの言葉を塞ぐようにナイフを刺そうとする
レン、それを叩き落とす


レン「このナイフで」
リン「確かにね。…自首する気はないの？」
レン「そんな気さらさらないね。そもそも事件だとわかっても、僕が殺したとはばれない」
リン「証拠隠滅したと思ってるの？私、知ってるのよ。貴方の指紋の付着した、あれと対になるワイングラスが存在することを」
レン「…証拠は？」
リン「黎音。…いや、レン。貴方、小さい頃教えてくれたわよね。いい隠し場所」
レン「！！」


リン、棚を横にずらす
ワイングラスが出てくる


リン「これでどうかしら」
レン「…よく憶えてたね」
リン「まあね。…レン、自首して？」
レン「…いやだ。僕は、今ここで死ぬ」


リンが落としたナイフを拾い、自分の首に当てる


リン「私の家族が死んだのは、自分の責任だと思ってる？」
レン「実際僕のせいだ」
リン「私は、家族の為に罪を犯してまで止めてくれるなんて、嬉しかったよ。…結局、皆死んじゃったけど…」
レン「……」
リン「犯人かもしれないけど、あれは仕方なかったの！貴方は、レンは悪いことを止めるためにやっちゃっただけなの！だから、極悪な犯人じゃ、ないよ…」
レン「………」
リン「ねえ、自首しようよ。私、警察の人に言ってあげるよ、レンは悪くないって」
レン「………」
リン「ねえ…」
レン「…無理なんだ」
リン「え？」
レン「人を殺したことに変わりはない。もう、無理なんだよ、リン…ちゃん」
リン「レン…」
レン「ごめん」


雷
赤ホリ


レン「謎は解けた？全ての犯人が…。さあ、犯人は、だあれ??」



幕が閉じる




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後書き
レンとリンは従姉弟、朱鷺はレンと直接の関係はなく、リンの従兄設定です。
リンは事件の起こった屋敷の住人です。
棚をずらすと出てくる、というより棚に貼り付けてある、の方がいいかもしれません。
レンの右手は、紐で縛るより右手を肩につけて、肘から下がない設定の方がやりやすいです（実験済み）