告白の夜から一夜明けた朝。朝日が優しくアリスの自室を照らし出していました。
「・・・・ん」
その光の眩しさで、アリスはゆっくりと目を開けました。
「あ、そういえば、私、執事と・・・・」
昨日のことを思い出し、思わず布団に潜るアリス。
「・・・・どうしよう」
その顔は真っ赤に火照っていました。
「・・・なんか、今は執事とは会いたくないわ」
そう呟いた時、運がいいというべきか運が悪いというべきかドアをノックする音がして、
「・・・アリス様、起きていますか？」
と、愛する彼・・・執事の声が。
「お、起きてるからっ！ちょ、ちょっと、ドア開けないでっ！！」
慌てて入り口のドアに駆け寄るアリス。
「えっ、あ、もしかして、今着替え中ですかっ？」
別の意味で慌てた様子の執事。
「そうじゃなくて！」
アリスは顔が赤いまま言いました。
「たまには、メイドたちに来てもらいたいのっ！執事、悪いけどメイドを呼んできてっ！」
「・・・分かりました。メイド一人呼んで来ますから、待ってて下さい」
ドアの向こうの声はひどく落ち着いて、執事としての冷たさを纏っていました。そして、足音は遠く遠ざかっていきました。
「・・・・っ」
アリスは唇を噛んで俯きました。頭に着けているうさ耳も、しょぼんと項垂れていたのでした。

しばらくして、コンコンというドアをノックする音がしました。
アリスは振り向きもせず、ただ窓辺に座って空を眺めていました。
「おはようございます、アリス様」
ドアを開けて、メイドはアリスの隣に行きました。
「・・・何か、ありましたわね？一体、何があったのですの？」
「・・・・・昨日、執事から告白されたの」
「ええっ！！？アリス様、それはだめですわ・・・！！」
アリスの言葉にメイドは目を丸くして言いました。
「なぜかしら？」
「だ、だって、執事様はロリコンなのですわよっ！？あんなのと一緒に、特に夜！何されるか分かったものですわっ！！」
「・・・そうなの？」
うさ耳と一緒に、きょとんと首をかしげるアリス。メイドは大真面目に頷きます。
「恋人同士なら、なおさらですわ！・・・まさか、告白を受けたとかはないですわよね？」
「・・・ＯＫしちゃったんだけど、だめなの？」
「執事様の強引な手口に引っかかったとか無理やり関係迫られたとか脅されたとか、そういうのじゃないのでしたら別にいいですわ・・・・・」
話してる内に、魂がなくなっていくメイドにアリスは慌てて、
「ち、ちゃんと健全な付き合いをするから、安心して！メイド！」
と、半ば必死にまくし立てるのでした。
「・・・そうですの・・・？なら、安心しましたわ・・・で、でも」
メイドは、がしっとアリスの手を握って、
「もし悩みがあるのでしたら、迷わずにすぐ私や私以外のメイドたちに相談するのですわよっ？！私たちメイドはアリス様の味方ですわっっ！！」
と、言いました。そんなメイドにアリスはなんだかじーんときて、
「そうね・・・！なんかあったら、貴女や他のメイドたちに相談するから！心遣い感謝するわっ！」
にっこりと、そう返事したのでした。


　　　　　　　　　　　　ＥＮＤ　？