タグ「夏」のついた投稿作品一覧(17)
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八月の朝 星の残り香 君が嫌ってた 暑さの中
ラムネ瓶から 翅を広げた 羽虫が空へ 勇んで飛んだ
空しさが いつの間にか この部屋の中 充満してた
ただ君が いないだけだ 蒸し暑さの弊害
麗和な宇宙を越えて 越えて
黎明の天 唸れ 唸れ
今日がいつかの八月なら 瞬く涼風
揺れる街中 息を潜めた 夏雲...サマーワーム
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ナツノリミット
夏の街にあった 傷痕に溜まった
雨水を弾いた 君の制服が透過してゆく
意味もなく笑った 涼風に残った
言葉は飛んでった 白んでゆく頭の奥で
言いかけて 堰き止めて
夏の所為で 片して
捕まえて 逃げられて
蝉が時雨れた
晴れ晴れ 雲を縫って...ナツノリミット
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小麦色の追想
蝉の鳴くいつもの街 夏の訪れを奏でて
公園の隅に置かれた 同じ色の水筒
僕とよく遊んでいた 少しだけ子どもな君は
滑り台に腰掛けて 小さいね って笑う
残酷に流れていく 蒸し暑さを
あと何度君と過ごそう
日に焼けた 思い出たちの
笑顔に救われた僕は
小麦色の肌をした 君がいない夏に...小麦色の追想
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追い風の夏を追う
底抜けに青い夏の空 茹だる町の中を歩いた
太陽を隠す白い雲 もう少しそこを動かないで
誰もが夏だと浮かれているけど
夏のどこが素晴らしいのか
夏なんて早く過ぎ去れ 何にも面白くないし
人混みで見えない海 ほら ほら 肝心な日は雨だ
夏なんて早く過ぎ去れ 蒸し暑いだけの季節め
体温を...追い風の夏を追う
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アルテミスの説教
「世界なんて」と呟いて
晴天を煽る 自棄に青い
それが慰めのつもりか
手すら差し伸べなかったのに
卑怯者め
放て 空の向こうへ
ボクラがまだ 未熟で 脆弱だとしても
必死に生き抜くことが
正しいとは言わない 言えない 今の君では...アルテミスの説教
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遠き夏は繰り返す
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教室の中へ 投影
僕の妄想癖 故 戦場と化した脳内
君の瞳は 透明
僕の擬似世界さえ 見透かしてるようだ
茹だるような 夏の街 君の肌 水飛沫
純とした 制服に 熱の魔法 陽炎
廻るような 靴の跡 僕の夢を踏み躙る
ぱらのいあ?
掴む筈の君の手が
夏に遮られて消えたんだ...サマースパイラル・ヒーロー (Summer spiral Hero)
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やがて世界は廃れて消えるから
誰も愛さないように生きてきたのに、
君は私のすべてを受け入れて
「魔法使いは凄いね」って笑っていた。
「脆い身体でよく笑えるよなぁ。
君には命の重さとか分からないのかい?」
君は笑顔で図鑑を抱えて
「死んでもいいと思っていた」分からない人間の言葉は
それから君は何度も...アンラスト・スノウ
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1A
生れて初めて僕は何を言ったのだろうか
ママやパパと言いながらどうせ泣いてたんだろうな
困った顔しながら笑わせようと必死な
ママとパパの顔を思い出すことはできないけど
1B
暑いだけで死んだ人を
弔うニュースばっかだ
生れて間もない誰かが
川で流されたってさ...どうせ夏だから
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朝焼けに鱗雲
目を閉じて
「もういいかい」
向こうから声がした
幼い君の
暈けた陽炎に隠れた
大人になれば風化して往く
嘘の幻
夏の蒸し暑さに溺れて
君は笑った...嘘の幻
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君のいない此方には今年も真夏が来ています。
君がいれば少しでも和らぐのかなと思います。
君がくれた貝殻は今でも机で寝ています。
君のことを考えてれば何故かこの辺が痛むのです。
僕とは違う道を行く君を素直に応援できないのです。
逸れた君の小さなを面影を夕陽に重ねるのです。
大好きだと言えない弱さが憎い...君へ
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もう秋の風が 漂う夏を運んで
忘却の笑みは 誰かの後ろ姿で途絶えた
妄想に消えた 夏を思い出しながら
そうっと注ぐのは 失ったはずの幸せみたいで
眩んだ夏も放り込んで 砂糖で掻き混ぜて
ほろ苦い毎日で壊されてしまう
そして暈けたまんまで 削除できたなら
それも至福の夏というエラーになる 揺られて
偽...それが、夏。
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好きだと言った君が泣いたのはいつの話だったろう?
多分、蒸し暑い蝉時雨が鳴り止んだ頃だった気がするんだ。
君がさ「海が見たい」って言うから、「仕方ないな」海へと向かう夜。
これが最初で最後の二人の海だと考えたら辛いんだ。
解けた指と駆ける浜を思い出した。
笑った君の顔を思い出せない。
夏が終わる頃に...夏が終わる
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熱いアスファルト踏みつけ
焦がす罪人を睨めている
汗ばむ夏の音色に耳を貸す暇はない
嘘と幻想とが目前浮かんで
熱と自覚とを交互喰らって
僕はそんな夏を悪魔と呼んでいた
散々太陽の下歌って
溶けていくならそれんでいいんだよ
そうして夏が終わらずずっと
続いていくんならそれでいいんだよ...太陽飛行
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真夏の君に積もる初雪
綺麗だったから目を閉じたんだ
白い病棟 窓に座る影を見た
病弱な君の癖
真夏の空 見上げてる嫌いな日々に
手を振る君 雪のような
夏風邪を引いたような
真冬の君を追った夕焼け
今風が吹いて髪が靡いた
あの頃のような柔い初雪...初雪は夏
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梅雨前は 言伝に 太陽を 追い駆けて
項垂れた 篝火が 細波 消えてった
常夏は 角隠し 傷跡を 隠していて
描かれた 自画像だって 行き先 無くなって
信じてた 空音だって 汽笛の余韻に
振り向いて 初めて 知った
囁いた 願い事 曇り空 夏の雨
残された 君ももう 不知火 大人で
篝火は 足元に...空音篝火、雨ノ予報
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夏は嫌いだ 夕陽は海を見つけて 歪んで
死んだような目をした君の「ありがとう」
―冷夏のせいだって―
電話の向こうから 呼ぶ君の声がした
多分 震えてた 寒い夏 そんな海に 人はいなくて
あの夏の日 君が声に出していた
「寒いね」とか 記憶に縋りついて
溶けた雪と積もる想い 繋いだ手は冷たくなって
...冬型の夏風邪