桜崎 透の投稿作品一覧
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淡く 色を覚えた
花に 夢を添えて
いつかの雨に
優しく濡れたまま
いまの僕ら
あたたかい微睡みのなか
深く繋がっていた
言葉と音と はじまりの朝
ずっと離れないでいた
互いに離さないでいた...Sweet pea Nap
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何が楽しくて こんな、
何が悲しくて こんな、
夕焼け ライト
これが聖解の色
「無いこと」が許されない
「普通」の方がわからない
生きてて 良くて
死ぬのは なんか 違うなって 思うけど
それ以外は 「…」、思えなかった
世界を人質に立ってる...PM.Land
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千年前のこと
忘れ去られた一日を思う
その日の空は
今日の空と同じ色だったのだろうか
ありふれた言葉
交わして
あまりにも不確かなものを
確かに信じられた
「さよなら」
「また会おう」...サクラノ
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あの青色から逃げた日
紫色の花と
うさぎのぬいぐるみだけ抱えて
月へ降りた
なにも始まらなかった
愚かな物語の成れの果てから
始めることだってできるでしょう
たとえ誰かに悪夢だと云われるとしても
凍てついた光が流れたら
追い駆けて 拾いあつめ...Empty February
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いつか 泪で溺れていた
夢の終わりに
貴方と 逢いたくて
願っていたの
此処に来て、此処に居て。
瞳の奥
青い花が咲いては
透明に滲んで
灰を彩る
ながい ながい 夢が終われば...Traumerei
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どこにも行けない夜
一人を覆う
紫陽花の空を看取る
鬱果てる
狭間で揺れる
水面の秋桜
午後八時の錯覚
鯉が泳ぐ
疲れたに取り憑かれたまま
ゆっくりと歩いていた...Autumn Ghost
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ただ手を繋ぐことしか出来ない僕は
昨日も今日も 弱いままだ
この世界では 君だけが
優しい輪郭を映している
また道に迷ったよ
目を開けているのかどうかも分からない
こんな暗闇に居たとしても
必ず 見つけてくれるから
君とならきっと生きていけると
手をとった この選択が...Iris
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寂しい朝
記憶は水底に置いてきた
乾いた緑の香りで
目を覚ました
虚しさが居座る心にも
どうにか 星の欠片で光を灯している
空っぽでも生きていけるけど
何にも無いわけではないけど
ここから動けないまま
水に沈めた部屋で泡を吐いていた...Underwater Room
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夢をみていた
薄紅の花の下
落ちた影の色
朧に溶け出し
群青に混ざる
失くした心を
埋めるように
葉音に隠れて
一人で泣いた
浅い惑いの夕...Spring Recollection
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秘密を共有した夜
幼い星を探している
互いに憧れを抱いたまま
心だけを望んでいた
見つからないふたつは
光を尽くした朝に隠れて
その時を待つ
僕らは小指を交わす
金色の睫毛に縁取られた
カンラン石のような君の瞳が...Lilac Dark
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エメラルドの水中に
白銀の血が 煌めいて
僕はここに居ると 伝える
君の夢は まだ
オーロラの中 彷徨っている
泡になった言葉を
届かなかった心を 月に馳せた
ゆっくりと 浮かぶ 沈む
半透明の ドレスを
夜の虹で 染め上げる...Emerald Lament
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朧な頭で 呼び出す音
真昼の星を目指して歩いた
言葉の奥を 覗こうとして
迷子になる いつもそう
これ以上失うものはないと思っていたけれど
何かがずっと 零れ続けている
涙の水晶で 遮られた先
新月の心だから 道は暗くて
落書きだらけの地図は 役に立たない
ここまで一人 どこまで一人?...Moon Heart Monologue
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黄色い星と 眠って欠けるハート
緑のロケットは まだ準備中
おはよう トカゲさんも起きて
さくさく 草の上を走ってた
雨が降るたび 暖かくなって
パッと染まる 花のいろ
春がくるよ 春がくるよ
固い蕾も そっと膨らんで
綻ぶ日が近づく 一歩二歩
春がくるよ 春がくるよ...First Green
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Suita Meluna Enadler
スイータ メルーナ イーナドラー
Tran do Uzattali a Phulow do Len no Toda
トラン ド ユーザッタリ ア フューロウ ド レン ノ トーダ
Cin do Hornte Ryu tolu Salana
シン ド ホーンテ...Stella Requiem
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カラカラに乾いた瓶が鳴る
今日からここが 僕の家
カーネーションのソファ
ラスカスの梯子
センニチコウの洋燈
オイルを纏って 沈んでいく
光を受けて 透けた身体は
時を止めてもなお 瑞々しく輝いていた
褪せてしまうと 分かっていても
365日の 翠彩の夢をみる...Herbarium
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夕焼けが終わっても 静謐なこころは
往復する瞼の裏に 橙を映していた
明確な答えのない感情で埋まる現在
当たり前の終末に向かって歩いて行くんだな
もしも 言葉が無かったら
もっと 単純になって在たのだろうか
沈んでも 溺れたりしない 天上の海
ヘリオトロープ・トワイライト
宝石を零した 夜がはじまっ...Heliotrope Twilight
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オレンジが藍色に飲み込まれてく
ああ こんな綺麗な世界で
二人 息をしているなんて
名前を忘れた星が 空に穴をあけて
僕も明かりを そっと灯す
鮮やかに燃える色彩も この時間も
一瞬で終わるから美しいんだよ
優しい声が 現実を隔てるように
冷えた空気を震わせて
何かを見失いそうになった...Phantom Fall
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雨が世界を覆う グレー
吸い込まれて溶けた 透明
閉じたアンブレラ レモン色
晴れと一緒に ひとやすみ
耳を傾けて 雨の音
さらさら とんとん
流れて 眺めて 落ちる
レイニーレイニー
ひとりごとも かき消した
レイニーレイニー...レイニーマジック
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君のいない世界に飛ぶ
そうしたらやっと幸せになれる
君じゃ足りなかった
あたしの生きる理由には
ああ ほら また
悪くないのに謝らないで
本当に君は優しすぎて
嫌いになりたい
もし今願うなら あたしを
一瞬で灰にして欲しい...Two
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内緒話をしてるのかな
秘密のように光る星たち
耳打ちをして教えて欲しい
恥ずかしがらなくてもいいのに
街灯も遠慮した夜の底で
星と距離を縮めた
低温で冴えた意識
このまま夜空に溶けてしまえたら
目を閉じても広がる星空
焼きついたオリオンの煌めき...Meteor
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綺麗な言葉には出来なかったけど
この気持ちは世界で唯一 本物
そう思っていた あたしは迷子
去った 刻一刻
ただじっと見つめていた
あたしが 何をしたっていうんだろう
ううん 何もしなかったから
こうやってひとり 置いていかれたまま
緩やかに死んでいく夜を看取って
悲しくなる前にもう一度だけ会いたい...Mute
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青の空気に 目が眩む
肺はまるで 澄んでいた
空っぽの未来を 漠然と握った
幸せなまま死んでしまえたら
良かったのにな
瞬け 群青
独りで落ちていく 世界
傾いて 崩れた希望は何処へ
静かに満ちた 心の藍
いま 溺れてく...Ultramarine
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底冷えする花弁のなか
心臓は青く血を巡らせる
凍る意識はゆめうつつに
失った体温を求めている
死んだ秒針を握りしめて
君を待つだけ 空く
僕を眠らせた 呪いのキスが恋しい
君が注いだ 薄荷の唾液が
まだ 残ってるような気がする -89℃
Cold Sleep 魔法は、溶けない。...Cold Sleep