夢をみていた
薄紅の花の下
落ちた影の色
朧に溶け出し
群青に混ざる

失くした心を
埋めるように
葉音に隠れて
一人で泣いた

浅い惑いの夕
迎えに来る鬱
空高く舞う鴉
天使が下す梯
黄金に染まる

光を透かす脈
写した瞬の命
今だけの幻姿
還ってしまう
四季の方程式

轢かれた花弁
回り巻かれて
晶に降り注ぐ
姿なき花の香
密のときめき

晴天に輝いた
虹のかけらを
看取っていた
街灯が点った

深い酔いの宵
月の綺麗な弧
乱れる髪の黒
水たまりの鏡
境界で揺らぎ

風が演出の景
花の雨を浴た
叙情的な刹那
留められない
四季の方程式

風信子の青紫
加藍菜の赤色
梅の花の紅白
勿忘草の水色

東雲に惹かれ
白昼を微睡み
黄昏と寄添い
夜は離れ難い

夢をみていた
薄紅の花の中
閉じた瞼の裏
仕舞った宝物
四季彩の記憶

思い出せても
同じじゃない
目の前の春は
ただ一つだけ
教えてくれた

滴る瑠璃の朝
草木を濡す玉
踏み滲む花骸
歩いて逝く唯
儚いのが生だ

幕引きにて桜
別れの時間さ
九十日を綴る
緑が語る物語
春の章に愛を

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

Spring Recollection

閲覧数:148

投稿日:2019/05/06 17:13:12

文字数:474文字

カテゴリ:歌詞

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