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しばらく思案しているうち、リンは段々うつらうつらしてきた。胡坐を書いて床に座り、ずっと脱出法を考えていたのである。
「…寝ないでくださいね」
呆れたようにため息をつく女性も、どこか眠そう…と言うか、既に寝る準備としてネグリジェに着替えてしまっている。人を部屋に閉じ込めておいて、いい気なもんである...怪盗探偵 15
リオン
――そう、つまり、『俺様』の方が恋に落ちたわけだ。
我ながらそんなことをこんな風に申告するとは思って居なかったし、ましてその申告の内容が自分が恋に落ちただなんて、そんな恥ずかしいことだなんんて、一体全体、いつ予想を立てることができるのだろうか。
最近、人気のアイドル歌手、『鏡音レン』。性格は表...恋をしたのは君じゃない 1
リオン
-謎-
「嘘…だよな…?」
もう一度、そう繰り返した。けれど、カイトは頷かなかった。
その場にいた全員の視線を浴び、どうしたらいいのかわからず呆然とするレンから、カイトはそっと目をそらした。その行動は、嘘ではないことを表していた。
その空気に耐えかねたようにルカ...鏡の悪魔Ⅲ 21
リオン
-光臨-
時は少し前にさかのぼる。
あの後――カイトがランをとめたすぐ後までさかのぼることになるのだが、すぐにランは眠ってしまって、カイトとレンは落胆していた。
「…カイト兄、レオンが居た部屋に連れて行ってくれないか?腰が抜けちゃって、一人じゃ行けそうに無いから」
...鏡の悪魔Ⅲ 18
リオン
-終戦-
手が、震えてしまってどうすることもできない。
自分がしたことを理解するのに、しばらく時間を要した。
嫌な汗が背中を伝い、落ちていく感覚があった。それから何があったのかを考えていたが、自分の立っている場所から下をのぞき見て、やっと何があったのかを理解した。...鏡の悪魔Ⅲ 17
リオン
-戦-
声が――
声が、呼びかけてくる。お前の弟は人殺しだと、狂ったように。
頭が痛い、割れてしまいそう、苦しい――。
「――大丈夫かい?」
「あ、カイト兄。大丈夫…」
「顔色がよくないね。取り合えず、出口へ出ようか。外の空気をすったほうが良いかもしれない」
...鏡の悪魔Ⅲ 15
リオン
-狂気-
手にかけられていく強い力と、自分の手で愛した人を殺そうとしている恐怖、ただその二つが、レンの理性を奪っていく。この間のようにリンが声を出しているなら、まだ安心感を持てるかもしれないが、リンは苦しそうに顔をゆがめるだけで声を上げることすらできないらしい。
...鏡の悪魔Ⅲ 13
リオン
-混血児-
体に力が入らない。
手も足も、頬も額も全てが熱を持って、まるでそこに心臓があるかのようにドクドクと血が強く流れていた。息も苦しいし、のども渇いてしまってカラカラだ。
「…。…?」
ふと目を覚ました場所はまるで見覚えのない、豪華な天蓋月のベッドの中で、周り...鏡の悪魔Ⅲ 9
リオン
☆*゜・。
「さあ、早く。何をぐずぐずしているのよ!早くその子を頂戴」
せかされて恐る恐る足を前と進める怜の背中にはつめたい汗が一筋、背筋をゆっくりと伝い落ちていった。
一歩ずつ前に出ると、相手がじれったいと言う様に歯軋りを始めた。
「…芽衣子、いいか」
「ええ」...満月の夜に Ⅹ
リオン
☆*゜・。
内容を理解した芽衣子は唐突な展開に脳がついていかず、理解した内容を何度も繰り返しては流騎に確認を取っていた。
「…わかったわ、大体のことは。それで?これから、どうしたらいいの?」
「めー姉は…というか、めー姉達はやられ役。芽衣斗さん達は簡単に近づけるだろ...満月の夜に Ⅷ
リオン
☆*゜・。
来緒が部屋の中へ入っていってしまったのを見ていた三人は、顔を見合わせて小さな声で話し出した。
「…どうする?」
「どうするも何も…来緒が案内してくれるみたいだし、行かないの?」
「ですが、この洋館が地図で示された場所ならば、彼も敵の一人かも知れません...満月の夜に Ⅶ
リオン
☆*゜・。
あらかたの説明を終えると、来緒は満足げにソファの上にあったクッションを抱きかかえてあくびをした。
「…どう?協力…してくれる」
「…。…はい。協力しないと危ないみたいですし…。いいですよ」
「よっしゃあ!!」
嬉しそうに立ち上がってガッツポーズをとる来緒...満月の夜に Ⅵ
リオン