☆*゜・。
「さあ、早く。何をぐずぐずしているのよ!早くその子を頂戴」
せかされて恐る恐る足を前と進める怜の背中にはつめたい汗が一筋、背筋をゆっくりと伝い落ちていった。
一歩ずつ前に出ると、相手がじれったいと言う様に歯軋りを始めた。
「…芽衣子、いいか」
「ええ」
小声でそう確認を取ると、芽衣斗は後ろ手に持った携帯電話のメール送信ボタンを静かに押した。
『ピロリロリン♪』
古臭い感じのする着信音がして、海子の携帯電話に芽衣斗からの空メールが届いた。それこそが作戦の最終段階に移るという、芽衣斗からの合図に他ならなかったのである。
「皆さん、いいですか?…飛び込んでください!!」
その声とともに皆が裏口から中へと飛び込む。
室内はお祭り騒ぎのような騒動となった。
「――雑音さん!?」
敵の姿を見て初めに声を上げたのは、未来だった。相手は自分の影のように同じ容姿をしていて、髪の色なんかが黒っぽくなっているだけで大きなツインテールも丸っこい目もそっくりだった。
「…あら、『初音』。何の用かしら」
その声に相手――雑音は、未来の方へ顔を向けると平然として予想していたようにそういった。
「何をしてるんですか…もしかして…」
少し青ざめて言葉に詰まった未来を見ると雑音は面白くなさそうに、
「へぇ、見たところアンタも私の敵らしいわね。そうなら容赦はしないわよ」
「雑音さん、何があったんです?何故、こんな――」
「五月蝿いわね…。邪魔よッ!!」
いきなり叫ぶと雑音は素早く呪文を唱えて未来の方へと何かを飛ばした。勿論未来も素早くよけたが雑音の出したそれは、暗い闇色の形のない何かであった。
「それは伝説の『ゴルゴーン』。そいつは目があったものをすべて石に変える。ペルセウスである私を倒さない限り、そいつはきえないわよ?」
「雑音さん、もう辞めましょう?こんなことしても、誰も特なんかしない」
「そうかしら。知ってる?全星座の力を集めたものは、不老不死になれるって話。私は醜く老いていく自分を見るのは嫌なの。だから、貴方も協力してくれない?私が不老不死になる手伝い」
「雑音さんッ!!」
いきなり未来が叫んだことに雑音は驚いたようだったがすぐに微笑を取り戻すと、
「何?」
と聞いた。
仲間を救出することに成功した流香と流騎は、未来や芽衣斗たちがいる洋館へと急いでいた。
「ねえ、流騎。どうしてこんなことになっているの?イマイチわからないわ」
「…最初はあいつらも仲間だったんだ。けど、そう思っていたのは俺達だけだったみたいで、相手は俺らを利用しようとしていた。海子がそれに気づいてしまってから、今みたいに仲間が捕らえられて――」
「ひどい話ですわね」
「…まあな。スピード、上げていいか?」
「あら、全速力じゃなかったんですの?私は余裕がありますから、良いですわよ」
「…いやみ」
そういうと流騎は今までの1.5倍ほどの勢いで走り出したが、流香がそれよりも少し速いスピードで進みだしたので、さらにスピードを上げざるを得なくなった。
「輝兎(てと)?何、してるんだい」
「バカイト。そっちこそなにしてるのさ」
「いや、協力しろって言われたから。輝兎は?まさか、敵?」
「みたいだね。…お手合わせ願います?」
「…お手柔らかにお願いしますよ」
そういうと、二人はゆっくりと構えてほぼ同時に戦闘を開始した。
「…そうして、とても強い敵は皆を倒そうとし、皆は敵を倒そうと力を振り絞るのでした」
「ねえ、めー姉。その後は?どうなるの?」
「…どうかしらね。ミクが考えてみたら?続き」
「―――うんッ」
それは遠い物語の中だけの話。
それは魔法を信じる子供の中だけで、絵本の中だけで展開される現実ではありえないリアル。
それはリアルの中でのみ生きることのできる少女達の物語なのだ――。
満月の夜に Ⅹ
こんばんは。最終話です。
ごめんなさい。最後、思いつかなかったんですけどね…。
夢オチは流石にだめかと思って…大差ないんですね。ハイ。
明日からは『鏡の悪魔Ⅲ』が始まるはずです。みてやってください!!
追記
あ、一応全キャラに星座が当てはめられているんですが、わかったでしょうか?
答えあわせを。↓
ハク:牡牛座 ミリアム:牡羊座 レオン:魚座 プリマ:蠍座
ソニカ:蟹座 がくぽ:射手座 アン:山羊座 めぐぽ:蛇使い座
雑音ミク:ペルセウス座 ルコ:龍座 テト:オリオン座
です。わかったでしょうかね?では、また明日。
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リオン
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みずたまりさん
思いつかなかったですよね。もっと何か終了して欲しいですよねぇ…。
続きはないんですよ。終わり方が思いつかなかったんですよ!!!!
明日を楽しみにしてくださいね。みずたまりさんからの熱烈アピールで実現した(?)鏡の悪魔シリーズですから。
2009/07/31 21:03:56