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「まだ、」
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売れないただの 物書きだった
狭い部屋、隣、紙の音
花瓶に刺した 赤い花の香
あと一つ足りないだけ
叶わないや 叶わないよまだ
優しさに息が詰まる 薄明かりが君を分かつ
揺らして華やぐ赤も 隣でもたれる君も
書くに足らないほどの つまらない幸せなんだ
創作が人生なら 僕らは駄作なんだ
「まだ、まだ...「まだ、」
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G(ray) Scale
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顔を上げて 君と目が合った時から
色が無かった グレースケールな世界だ
角のついた 手で君を引っ張って
光の束を探した
雨上がりにも 焼けた空にも
僕らは混ざらなくって
花枯れ時の 滑る雫に
君だけが反射している気がした
灰色空の 間隙から零れる
一筋の光よ...G(ray) Scale
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息苦しい世界 傷つかない理由探して
幸せを選べないのは 僕のためにならないって
君が教えてくれたから 僕はまだ息をして
君と歩きたいと願った
ねえ ねえ 僕はどうしたら
君みたいに道を照らせるの?
夜空の 星の瞬きに
心臓が気付いてしまった
君がパッパッパッとさ くしゃくしゃと笑うから
僕の歩く道が...一等星
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一等星
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偽善者のエピローグ
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アトリエ、油雑じり春薫る
花踊る君の隣で
ただ息を飲んだ 夢吐いた
冷めた絵筆を置いて嘘一つ
「君が絵描きになるためだ」
偽善者のエピローグ
アトリエ、君が一人春描く
私の筆を取って
ただ夢を描いた ただ描いた
きみの手筆を取る度花散らす...偽善者のエピローグ
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涙の行方
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僕は今日も絵を描いた 君が好きと言ったから
僕は嫌われ者で 君だけが僕の世界で
人間なんて嫌いだ 価値なんてどこにもないから
花とか山とか空とか つまらないものを描いた
扉前のご飯
定刻のただいま
君が犠牲の物語
終わりにしようか
何度描いても 描いても
願いが止まないから苦しいまま...涙の行方
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I DO NOT
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I do not like it.
あーどいつもこいつもバカばっか 神様ブッタパッパラパ
あーだこーだの無責任理想論者はお帰りくださいな
そんじゃあ勝算はないよ 不適切ほら謝罪よ
二つ耳が痛いイタイタイタタタイ!
I do not hate you.
そう愛風と暴言厨
嫌いライライ言うの あんたのた...I DO NOT
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海に溶けて
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さざ波に溶ける独り言 降りしきる雪に冷めた水面が
ゆらゆら寄せ返すだけ
見上げて指切りは追憶 変わらない景色変わる思い乗せ
祈りを飛ばした
いつかの雪の日 海と鳴くギター
一つ手の鳴る石階段 またねの
さよなら
ねえまだ このまま遠い
遠い夢にいるの? 思い出が雪と溶けてく
ねえまた 音が一つ消え...海に溶けて
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月と一人
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雲霞の夜 君を連れ去る月影
ただずっと そうずっと 眺めていた
雲霞の空 秋深き夜に面影
まだずっと そうずっと 思い続け
熱恋し帰り道 深雪に止まりて
物憂くに思い 背向くもおらず
涙に浮かぶ 君との日々
どうして どうしても 捨てきれないまま
君の嘆きの歌を そう何度も 何度も
遠い 遠い 夜...月と一人